富士登山の思い出
毎年この時期になると思い出すもの。そう、苦労して登った富士登山の記憶だ。
「富士は日本一の山」。この日本一高い山を征服するというのはある意味男のロマンを感じる。標高3776m、我が国にはここより高い地面は存在しない。男と生まれたからには一度は登ってみたいと子供の頃から思っていたが3年前の2003年8月、そのチャンスは訪れた。友人家族が一緒に行こうと話しに乗ってきてくれたのだ。しかし山登りの嫌いなカミサンと娘は早々にパス。セガレよ、一緒に日本の頂点を極めてくれようぞとうまいことそそのかして、一路富士山新五合目富士宮登山口へと車を走らせたのであった。
富士登山に関してはオンライン情報が豊富でかなり参考になることが調べられるが特にこのサイトは参考になった。アウトドアやキャンプはお互いよくやる家族同士なのだが、こと高山の山登りに関してはトレッキングと違ってシロウトに近い。こういうHow toサイトはありがたい存在である。高度に慣らすため前日夜に到着して仮眠後、早朝日の出前に新五合目を出発するという算段でスタートした。
幸いにして天気は安定している。朝の冷気が心地よい。懐中電灯を頼り登り始めるが気が高揚しているので歩みも軽い。20分程度で六合目の山小屋へ到着。なんともう五分の一もやっつけたのかと喜んだのも束の間、ここから先の道は縦に連なっている。さすが富士山、険しさも半端じゃないですな。六合目を超えて夜が白んでくると見事な雲海が一望出来る。空がオレンジ色に染まってきた。下の画像は新七合目・御来光山荘(標高2780m)からの夜明けの様子。まさに心が洗われる一瞬だ。
随時休憩を取りながらひたすら登る。新七合目の次は八合目かと思いきや元祖七合目の山小屋看板。ここでがっくりくる。でも標高は3030m、三千を超えている。ここいら辺までは振り返ると高山植物や麓の緑がきれいに見えるが、さらに登っていくと野草の生育限界を超えるのか草一本見えなくなる。地面は火山岩と火山礫だけだ。所々で見る雲海の変化がすばらしい。
八合目へ到着。もう八合目というかまだ八合目と見るか微妙なところ。子供達も山小屋のベンチでグロッキー状態。見上げれば山頂は遙か先だ。もうこのくらいの高度になると基礎体力の差もさることながら、高地への順応ができるかできないかが重要になる。空気が薄い感じはあまりしないがともかく頭が重い。これがひどいと高山病になるのだろう。初めて実感した。登山道の横に雪渓が走っていた。気温は低そうだが日射が強いので薄着でも寒さは感じない。天気が安定していたのは有り難いことだった。
九合五勺(標高3550m)で同行家族の息子さんがついにダウン。どうにも動けなくなってしまった。協議の結果。残念だが彼を山小屋に残して残りは山頂を目指すことにした。ここからの道程はともかく強烈。山頂が見えているのに歩みが進まない。20m歩いて休憩、それを繰り返す。すでに時間はお昼をまわっている。ちゃんと下山までできるのかねと不安になる。
なんだかんだで山頂へ到着。感無量の瞬間、セガレと ヽ(^o^)丿をしてしまった。所要時間およそ8時間半、私にとってはえらい道程だった。夏の富士山頂は参拝客でにぎわう神社の境内みたいだが、ちょっと離れるとそれらしい雰囲気が味わえる。火口の底にはまだ雪が残っているが意外に浅いものだった。小高い丘には旧富士山測候所が見えるが、残念ながらすでに名物レーダードームはお役を終えて撤去済み。今では富士吉田市で展示館が造られておりそちらで公開されている。
富士登山は私にとって一生の思い出だ。目に焼き付いた光景は忘れることはないだろう。皆さんへもチャンスが有れば是非ともお勧めしたい。でももう一度行くか?と言われたら・・・ごめんなさい、思い出を胸に秘めておきますです。
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ヽ(^o^)ノども Fibyさん
富士登山懐かしいです 私が登ったのは花も恥らう二十代前半の頃だからず~~と昔ですが あの時の過酷さがよみがえってきます(*^∇^*)
私も もう一度・・・は胸に秘めてあるのでけっこうの口ですね
今は無理のない低山ハイクが最高!
投稿: ミー | 2006年8月21日 (月) 00時10分
ミーさん、こんばんは。
お帰りなさいまし。夏休みはなかなか盛り沢山だったようですね。
富士山登るならやはり若い頃の方が絶対良いですね。ボクくらいの歳になるとけっこう馬力が必要だったです。
嬉しかったのはあの時セガレと価値観を共有できたこと。彼の勉強机の壁には富士山頂郵便局が発行した登山証明書が額縁入りで飾ってあります。
ミーさんの場合、低山ハイクっていっても2000m級を歩きますからなかなかのものですよぉ。
投稿: Fiby | 2006年8月21日 (月) 22時54分
コンバンハ Fibyさん
長いと思っていた夏休みも夢のようにおわってしまいました
今は思い出綴りの日々・・(*^∇^*)ニャハハ
成長したお子さんと一緒に日本一の山に登った思いでは、やはり一生の宝ですね。それは息子さんにとっても同じことと思います。
私の2000メートル級はそもそも登山口もかなりの高度な場所から・・・たいしたことはありません
お手軽なところばかり・・・・(^_^; アハハ…
それでも 山は楽しいですね
投稿: ミー | 2006年8月23日 (水) 22時32分
ども、ミーさん。
プロフィールのオコジョ写真いいですね。まぁボクもプロフィールの写真は鴨だから人のことは言えませんですが・・・
お休みの時に撮ってきたデジカメ写真の整理も大変でしょうね。
ボクはまだ夏休みを取っていないので9月にドカンと休むのが夢です。ドカでも、いやドでもいいから休みたい(^^;)
ミーさんの山歩きは自然を愛でながら歩くので自然が受け入れてくれるのでしょうね。私の冬場の山歩きは殺気をみなぎらせて歩くので、自然が拒否反応を示しているのかなと感じるときがあります。
鳥や動物が逃げていくんですぅ・・・
>それでも 山は楽しいですね
激しく同意 (^-^)/
投稿: Fiby | 2006年8月24日 (木) 20時50分