キティホーク乗艦記(最終編)
中編の3の続編。
嵐のようなタッチダウンとテイクオフの連続が終わり、フライトデッキもやや落ち着いた。だがこれで終わったのではなかった。今度は各種の飛行機がフライバイという低空で近くを通過するデモフライトが続く。随伴艦を含めて一斉に左へと急速回頭をした。後方には伊豆大島のシルエットが延びている。こんなに島の近くで演習をしていたのだとは気が付かなかった。
ブリッジ上でフライトデッキの直上を音速で通過するジェット機を見ていると、タッチアンドゴーよりもさらに迫力がある。E-2Cのローパス(低空飛行)は機体が大きいだけに迫るものがあった。映画「トップガン」でもトムクルーズがふざけてフライバイを要求し、通過時のソニックブーム(衝撃波)で管制塔のエアボス(航空管制指揮官)がコーヒーをこぼしてしまうシーンが出てくるのだがまったくそんな感じ。目前で音速を超える時のソニックブームはまさに落雷のように聞こえる。コーヒーカップを手に持ってなくて良かったなぁと思う (^^;)
一機のホーネットがアクロバット飛行を披露してくれた。急降下に背面飛行、宙返り、きりもみ飛行、どれも難易度の高い技で、以前に航空自衛隊浜松基地でみたブルーインパ ルスの曲技飛行よりずっと大胆に見える。いちばん驚いたのは機首を45度に持ち上げた常態で失速寸前までエンジンパワーを落とし、低速で水平方向へスライドしていくという技。まるで犬の散歩のよう。派手さはないがF/A-18の運動性能とパイロットの技能を見せ付ける見事なもの、あまりに見とれて写真も撮る暇がなかった。
米海軍のオフィシャルホームページにて今回の行事を紹介していたのでそこから画像を少し拝借してきた。さすがに従軍カメラマンの撮る写真はすばらしい。ほんとにこんな風に飛んでいたのですよ。や っぱ道具かなぁ・・・と自分の腕の無さを棚に上げて道具のせいにするのはいつものことだ。
デモフライトも無事終了。艦載機はそのまま全機神奈川県厚木市の海軍航空隊基地へと向かった。耳当てのイヤーマフを外すと普段の世界に戻った気がする。興奮の2時間だった。
まったく偶然に降って沸いた今回のキティホーククルーズだったが、こんなチャンスはもうそうそう無いだろう。この船も2008年には退役する。後を継ぐことになっている航空母艦は言わずと知れた原子力船。もう日本人は乗せてはくれないだろう。自分の悪運に感謝しつつ、ハンガーベイに戻った。
軍側が提供してくれた食事をハンガーベイでほおばりつつ興奮の余韻に浸る。ふと開口部から外を見ると房総半島が見えてきた。ホームポートの横須賀はもうすぐだ。
今回は航空母艦の持つ圧倒的な軍事的プレゼンスを感じることができた。それらはパイロットたちの卓越したテクニックとその何倍もの数の関連要員たちによって支えられている。この1隻が日本海やアラビア海に存在するだけで周辺国に与える威圧感は相当なものと推察できる。しかしながらこの五千人の乗組員と何十機もの航空機を持つこの船一隻を維持・更新していく莫大なコストは、小国の総軍事予算にも匹敵する。平和はタダででは手に入れられないということだろうか。平和な日本はいまのところその傘の下に存在している。平和のために払わなければならない日本の代償について、落ち着いたらじっくりと考えてみたいと思っている。
延々と続いた長文をご覧いただきありがとうございました。
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秋晴れの続く今日この頃・・・・
fibyさんの夏休みもきっと良いお天気で、きれいな星空をご覧に慣れたのでは・・・・
私も2日連続の山歩きで少々疲れ気味の月曜日です。
長編のキティーホーク戦艦記、楽しませていただきました、お疲れ様!写真もきれいに撮れていて、さすがですね。
米軍に関する政治的なあれこれは、様々な観点から色々な意見があると思いますが、単純に「知る」という事において、この記事は勉強になりました。大きな傘はお値段も良いという事ですね。
投稿: ミー | 2006年9月25日 (月) 17時12分
どもども。m(__)m
ベースの開放で、空母の艦載機の昇降機に乗せてもらい喜んでいるのとでは、だいぶ違いますね。側で見ると迫力が違うでしょうね。今年は、富士の方は行かなかったのかな?
話は違うのですが、Fibyさん、キャンプ用の火気は、みんなガスかな?白ガスが無くなってしまったので、購入を検討しているのですが、前に1斗缶で、購入していると高くて買えないですね。でも、18Lもいらないし、この所、スタンドが潰れたりで、お店を変えたばかりで、顔が利かないしで、誰か持ってないかな?
そうそう、たむさんのところ消滅してしまった様でですが、何か有ったのかな?
投稿: なおなお | 2006年9月26日 (火) 11時47分
ミーさん、こんにちは。
遅い夏休みも晴天に恵まれ・・・と言いたいところですが、出発日は晴れましたが二日目は強風、きょうは暴風雨ということで前倒しで帰ってきました。雨はどうにでも対処できるのですが、強風が絡むとテント泊はけっこう難儀です。
しかも昨日はどえらいことが起こりまして・・・こんど師匠から聞いてください。なんとボクの夏休みとは関係のない師匠までからめて迷惑を掛けてしまいました。
さて今回のキティホークですが、写真技術はともかくデジカメの能力的に不満の残る結果になりました。やはりいくら手振れ補正12倍ズームでも200万画素のプログラムAEではやはり限界を感じました。どうやってもミーさんの写真のようなディティールが出ないし速い被写体が止まらないのですよ。
やっぱりもっとマニュアル機能を備えた高精細デジカメが欲しいです。
冬のボーナスの最重点要求事項に昇格しました。
投稿: Fiby | 2006年9月26日 (火) 18時07分
なおなおさん、こんにちは。
ボクも飛行機用エレベーターに乗ってこいつはすげぇやと感じていた口でしたが、たまたま今回は運が良かっただけです。富士の演習は何度か見ていますのでもういいかなって感じです。
ボクはキャンプ用ストーブはだいぶ前にカセガスへシフトしました。ランタンもカセガスです。なんたってソロキャンプには三本200円のこいつが一番であると結論しました。早春、晩秋の気温が上がらなくてガスが気化しにくいときや、燻製で加温が必要な時のみガソリンストーブを使います。
以前はけっこう皆さん裏ルートで白ガスをせしめていたようですが、最近は入手も困難なのでしょうか。どこかで情報がありましたらお知らせしますね。
ちなみに4リッター缶が当地で一番安いのは佐原十字路のポイントです。
たむさんのブログは9月23日からリセットして「たむさんの煩悩日記」として再スタートしたみたいです。
http://love-will-find-a.way-nifty.com/gonza/
リンクを張っていて、ある日突然繋がらなくなると驚きますよね。ボクも人生のリセットをしたい・・・って独り言・・・
投稿: Fiby | 2006年9月26日 (火) 18時26分