« どっきりカメラ(鹿狩り編) | トップページ | キティホーク乗艦記(中編の1) »

2006年9月19日 (火)

キティホーク乗艦記(前編)

なんと今年の末までに使う予定だった運をまとめて使ってしまったようだ。それほどの幸運に感謝する機会があった。

日本、アメリカに係わらず各国の軍隊には兵士の士気を高め、家族の理解を深めるために軍人・軍属とその家族を対象にした見学会を不定期に開くようだ。横須賀市になじみの深い米海軍ももちろん例外ではない。しかし、一般開放と違って、実際に米海軍の艦艇に乗船してクルーズする機会など日本人には望むべくもない。
しかし・・・しかぁし、基地関係者から前もって予定していたゲストが来られなくなったので空母キティーホークの日帰りクルーズ乗船に代わりにどうだという誘いを直前にいただいた。艦載機のフライトデモもあって費用は5ドルだという。もう後先考えずに二つ返事でOKした。

最初に申し上げておくが、駐留軍としての米軍に係わる様々な社会的問題があるのは十分承知をしている。軍隊・兵器は戦争のための道具であるのは言うまでもない。そんなものに飛びつくのもナンセンスという見方もあるかもしれない。しかし、今回は単純に「初めての経験」「怖いもの見たさ」を求めた結果とご容赦いただきたい。この機を逃したら二度とこんなチャンスは巡ってはこないだろう。それほど自分にとってはインパクトのあるお誘いだったといえる。

Kitty3_3Kitty2Kitty1_1  

当日は雨マークの付く天気予報だったが幸い降り出しはは遅くなりそうだ。基地ゲートをくぐり徒歩にて空母用桟橋へ向かう。前方の交差点前方に大きな艦影がのぞくがさすがに大きく見える。近づくと青い看板が目に付く。米海軍の航空母艦の中で、唯一の前方展開(母港を米国外に持つ)空母で有る旨が読める。その看板の裏側にはたたずむ基準排水量8万トンを超える大型艦艇。圧倒的な存在感がある。さっそく桟橋から乗り込みチェックインさせてもらった。

GunsSlamLaser_bomb 

出航前、まずはハンガーベイと呼ばれる格納庫の中から見学を開始した。公開対象が一般人ではなく基本的に米海軍・軍人軍属とそのファミリーなので、展示物もけっこうラフに展示してある。ここには航空機に搭載する様々なペイロードと警備等に使う小火器が展示してあった。上左の写真はSLAMというスタンドオフミサイル(AGM-84H)だ。航空機から発射されると巡航ミサイルのように羽を広げて目標まで飛んでいくもの。射程は280Kmもあるという。中間の写真はレーザー誘導爆弾の一種(GBU-24)。現在の主力攻撃機のF/A-18はこれらの兵装を主翼下にごってり積んでいくのだ。小火器類もライフル、ハンドガン、軽機関銃といろいろある。私でも撃てそうなレミントンのショットガンもあった。ただ銃口から察する口径は日本の標準である12番ゲージではなくもっと大型の10番ゲージのようだ。反動も大きそう。

CranesGary_1Essex   

ハンガーベイの大きな開口部から外を見ると、同じ第七艦隊所属ミサイルフリーゲート艦FFG51ゲアリーがタグボートに随伴されて一足先に出港していった。反対側の桟橋側を見ると移動式クレーンが橋を持ち上げいよいよ出港だ。8万トンの巨体が動き始める。隣の桟橋にはもう一隻航空母艦のような船が第七艦隊の旗艦LCC19ブルーリッジと並んでいた。これは佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦LHD2エセックスで厳密な意味での空母ではない。この船のお腹にはホバークラフトを二台積んでいるという。海上から基地側を見渡すと色々なものが目に入る。新しい岸壁には大きなクレーンが二台装備されているのが目に付く。ここは2008年にキティホークに代わって配備される予定の原子力航空母艦が使うことになるのだろう。

雲が厚いがまだ雨は降ってこない。さて、息苦しいハンガーベイからフライトデッキ(飛行甲板)へ出てみることにしよう。

以下中編の1に続く・・・

« どっきりカメラ(鹿狩り編) | トップページ | キティホーク乗艦記(中編の1) »

艦船乗艦記」カテゴリの記事

コメント

先週キティホークが横須賀に戻ってきたニュースを見ましたが、
またすぐに出港してしまうのでしょうか?

KiKiさん、こんにちは。初めまして。
ご来訪ありがとうございます。

今回のクルーズで艦載機は全て発艦したまま船はからっぽの状態で帰ってきましたので、しばらくは横須賀に留まるのではないでしょうか。

この記事も続編がありますのでどうぞご覧になって下さいね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: キティホーク乗艦記(前編):

« どっきりカメラ(鹿狩り編) | トップページ | キティホーク乗艦記(中編の1) »