巡洋艦シャイロー乗艦記 その2
シャイローファミリークルーズのその2
横須賀港を離れ、船は順調に進んで行くがその速度は思ったより速くない。
ただ主機関である四つのガスタービンエンジンはジェット機のようなタービン回転音をさせながら一万トンの巨体を波の先へ進ませる。周囲を見ていると、どうもキティホーククスーズの際の航路とは違うことに気が付いた。東京湾を出る浦賀水道を通るには人工島の第二海堡を左手に見なければならないのだが、今回は右手に見える。むむ、ということは今回は東京湾を出ずに湾内を廻る遊覧船になるということだ。事前にもらった情報も少なかったので行き先も知らなかったのだが、これはちょいとばかり残念なところ。しかし武器を満載した遊覧船とはまたすごいものだと思う。
今回はゲストの数も少ないので艦内見学ツアーが船上で組まれたのだが、これは面白そうと参加することにした。船に装備する各種の武器についてそれぞれ兵装担当の水兵さんが英語で解説してくれる。普段見慣れない大型火器はどれも興味深い。
最初に見せてくれたのがMk38Mod2 口径25ミリの機関砲だ。水兵さんが持っているのは装弾試験をするための実物大のダミー弾だが25ミリとはいえけっこう大きい。この機関砲はレーダーで官制され自動で照準するのだそうだ。
後部デッキにはMk41 VLS(垂直発射システム)のハッチが並んでいる。このミサイルハッチから有名な巡航ミサイルトマホークやら魚雷の付いたアスロックやらSM3型スタンダードミサイルやら、色々なものを発射できるのだという。スタンダードミサイルってなにがターゲットなの?との質問には「バリスティックミサイル」を打ち落とすのだと答えてくれた。バリスティックミサイルってなんだと思い、帰ってから辞書で引いてみると弾道ミサイルのことだった。知らなかったのだが、シャイローは数少ない弾道ミサイル迎撃機能を持つ船だったのだ。ミサイルはマウントしてあるのかとの質問にはノーコメントだった。
艦尾には大砲も装備されている。Mk45 5インチ単装砲だ。ミサイル時代に大砲とはクラッシックな感じだが、自動装填装置を備え毎分20発撃てると言っていた。固定式筒状の発射機はAGM-84ハープーンという対艦ミサイル。発射後はジェットエンジンを使い巡航ミサイルのように敵艦へ目指す。
最も艦尾よりにはM2型12.7ミリ重機関銃も設置されていた。足元には弾薬箱があってここにはサビサビの弾が入っていたがこれはダミーでなくて実弾。5発に1発、弾頭に赤いペンキが塗ってあるがこれはなんの意味か聞くと「トレーサー」だとのこと。曳光弾ですな。弾筋が分かるように光って飛んでいく弾を混ぜてあるようだ。
まぁ、色々な武器があるものですな。願わくばこれらの武器が実戦に使われることなく耐用年数が来て引退してくれるのが望ましい。
次に艦内に入って船の中枢部へ案内してもらおう。
以下その3へつづく。
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