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2008年8月 5日 (火)

鹿毛皮加工・いんちきなめし総集編

え~、リクエストがありましたので私が過去行った鹿毛皮のなめし加工につきまして、記事が飛んでいて読みにくいということもあるので今回総集編を作りました。なおこれは私が自分のスタイルでやっているもので必ずしも正しいやり方とは思いません。インターネット上にはいろいろな情報が氾濫していますので、どうかそれらも参考にされて、ご自身のスタイルを作られるといいと思います。

Shika_original その1、 鹿の毛皮をゲットする
加工をするにもブツがないといけない。狩猟者になって自分で捕まえる、友人のハンター氏から譲り受けるという方法がある。ハンター氏はだいたいお肉狙いなので毛皮はぺろんと剥いたら捨ててしまうケースが多い。あらかじめ頼んでおけば分けてもらえるだろう。ヨツアシ共きれいに残して剥いてあるのがベスト。鹿クラスともなると毛皮を剥くだけでもけっこうな労力になるので、戴く場合は大いに感謝して頂戴しよう。

害獣駆除などで夏場に獲ったものは特に腐りやすいので要注意。少しでも腐敗臭がしてきたらその毛皮はお終いと思って間違いない。

Deerskin_arai その2、 毛皮を洗う
剥いたばかりの毛皮は血にまみれ皮にはまだお肉の残りがついていると思う。これをきれいな流れの小川などに持っていって毛をよく洗い、皮側に付着しているピンク色のお肉をともかく剥がす必要がある。個人的にはこの作業がいちばん面倒だと思う。小川でつまんだり削ったりしながらちまちまとやって真っ白い皮状態にしなければならない。お風呂場などでもできるが、大量のお水を必要とするのでやはり川でやった方がよい。尻尾が残っているときには尻尾の筋肉と中骨を取り除かないといけないが、けっこう難しいのでちょん切ってしまっても良い。

Deerskin_hozon その3、 みょうばん漬けを行う
よく洗った毛皮を焼きみょうばんの水溶液に浸ける。ゴミのビニール袋を2重3重にしてあらかじめ溶かしたみょうばん液にまんべんなく浸るように漬ける。焼きみょうばんの量は一袋から二袋くらいでいいだろう。気温が低ければ常温でもいいかもしれないが、気温が高いと直ぐ腐るのでやはり冷蔵庫保存がいい。一週間ほど寝かす。

追記; ミョウバンと一緒に塩を混ぜると良いようです。タイワンリスの毛皮では脱脂が促進されました。ただし混ぜすぎると毛がごわごわになったり抜けたりしますので程々に・・・

Deerskin_nurinuri その4、 なめし液塗り
お風呂場に広げ、軽く水分を吸い取った後、ひまし油1、液体柔軟仕上げ剤2、みょうばん漬け液5の割合でなめし液を作り、皮側の方に塗り塗りする。霧吹きと歯ブラシでまんべんなく擦り込む。これも根気の要る作業だ。

Deerskin_dry その5、 乾燥作業
スノコなどを加工して毛皮を広げられるだけのフレームを用意する。毛に吸い込んでいる水分を雑巾で吸い取った後、洗濯ばさみなどで挟んでまずは皮側から陰干しする。3~4日ほど干して水気が飛んできたかなと思ったら裏返して毛側を乾燥させる。そこそこ乾くまで1週間以上掛かるので、たまに見て形くずれしたりしていないかチェックをする。

Deerskin_dry2 その6、 ブラッシング
乾燥が進んだら毛の部分をブラッシングする。目の一番粗いブラシを使い毛並びを整える。少しぐらいの毛抜けは気にしない。イヌのブラッシングと同じだ。ブラシに毛皮用の油を塗ると良いと聞いたが私はやらなかった。

Deermat その7、 出来上がり
さぁ、仕上がった毛皮を玄関に敷いてお客様をお迎えしよう。さぞやびっくりされることでしょう。

ってなかんじでまとめてみましたが参考になったでしょうか。初めてだったら最初はタイワンリスの毛皮など小物から始めると感じが掴みやすいです。まぁ何事も経験ですね。

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ハンティング」カテゴリの記事

コメント

ありがとうございます!!
こんなに早くまとめてくださって感謝です
参考にさせていただきます

しかさん、こんばんは。

少しはお役に立つでしょうか。どうかがんばって仕上げてみて下さい。よろしければ出来上がりの結果を教えて下さいね。
ではでは。

鹿の毛皮の入手が容易なので毛皮のなめしにトライしたく思っています。概要は掴めましたがあと具体的に使用する溶剤の比率などを教えたいただければ幸いです。
 私も40年来のハンターです。主に雉や山鳥のアップランド・バードのハンティングです。犬は米系のドイツ・ポインターを使っています。九州の在なので友人達がかなり大型の鹿をゲットしています。
 よろしくお願いいたします。

田中 至
Cell Phone: 090-6293-2470

itaruさん、こんにちは、はじめまして。インターネットのうねりの中からマイナーな当ブログを見つけて下さりありがとうございます。ご覧のとおりの雑多なブログですが、少しなりともお役に立てれば嬉しいです。

> 私も40年来のハンターです。主に雉や山鳥のアップランド・バードのハンティングです。

もう大先輩を前にして恐縮してしまいます。本県は乱場はほんとに少なくて、なおかつ安心して装薬銃を使えるところはさらに少なく、ボクは空気銃猟が主体です。私のような新米にはその程度で十分なのかもしれません。猟犬も飼われているようで回収も万全でうらやましい限りです。

さてご質問の件です。
まず最初にお断りしておかなければいけないのは、本文中にありますように必ずしも正しいやり方かどうか分からない自己流であるということなんです。とりあえず私はこれで仕上げましたが、多分もっと良い方法があるんじゃないかと思います。そんな前提で聞いて下さい。

まずミョウバン漬けですが、一袋40グラムから50グラムという焼きミョウバンを二袋~三袋を水と共に鍋で煮立てたミョウバン溶液を作ります。水は目分量でいいです。これがさめたら45リッター以上のビニール袋に毛皮を入れ、先ほどのミョウバン溶液を注ぎます。さらに毛皮全体が浸るように水を加えます。よく溶液が混ざって行き渡るようにもんだあとに余分な空気を抜き、口を締めて一週間ほど置きます。

ただしこれは子鹿の場合です。成獣の大きなサイズの場合は焼きミョウバンの量や水、ビニール袋の大きさを増やして下さい。多分大型の鹿の場合、入れ物からしてかなり苦労するのではと思います。最初は子鹿から始められた方が無難な気がしますです。

ミョウバン漬けが終わったら広げて皮面に柔軟加工を施します。加香ひまし油、全段で使ったミョウバン液、洗濯に使う液体柔軟仕上げ剤をそれぞれ1対5対2くらいの比率で混ぜた液を作ります。霧吹きに入れて、水分を拭き取った後の皮面にまんべんなく吹き、さらにブラシにて入念にすり込みます。この作業で毛皮の柔らかさが決まると言っても過言ではないと思います。腰が痛くなりますが、心して行って下さい。

あとは本文のとおりの乾燥工程を経れば完成です。直射日光に当てて急速に乾燥させると、ごわごわのコチコチになりますのでご注意を。陰干しで少しずつ乾燥させるのが良いです。

こんな感じでポイントはお分かりいただけたでしょうか。大先輩に講釈をたれるのもおこがましいですが、失礼とは思いつつご説明をさせていただきました。ご不明の点がありましたらなんなりとご指摘下さい。ご説明いたします。

ともかく手間と時間の掛かる作業です。しゃがんでの作業も多いので腰などやられませんようご留意下さい。私はちょっとやってしまいましたです (^。^)

一番の苦労どころはなめしよりも皮面にへばりついたお肉の断片をそぎ落とすことでしょうか。一人でちまちまと行っていると世間の不幸を背負っているような錯覚に陥るほど時間の掛かるしんどい作業と思いますです。

がんばって下さいね。九州方面の狩猟環境などお暇な時にご紹介いただけると嬉しいです。

ではでは。

お礼が遅れて申し訳ありませんでした。うっかり一般のメールに返事があるとばかり思っていました。
詳細なご説明ありがとうございました。
僕は燻製なども手がけますので、このような手間のかかる工程は当然のこととして受け止めています。本当に助かりました。これで立派な鹿の毛皮を作ることができます。
 九州は四足が多く鹿やイノシシが害獣として多くの農家の天敵として扱われています。10年ほど前から問題になりだしました。それ以前は人も動物も調和を取りながら暮らしていたのですが!!それに僕の大好きなウス赤山鳥も沢山いたのですが、鹿やイノシシが増えすぎて山鳥や雉などの鳥がめっきり減りました。これらは反比例するようですね。
 それと鴨も数を減らしています。ところで全猟誌の存在をご存知ですか?

田中 至

どもitaruさん、

思惑と違う感じでお返事申し上げてしまったようで申し訳ありません。基本的にコメントで頂戴した質問はコメントで返すことにしております。マニアックな話題ではありますが情報の共有化との観点から、もしかしたら同様の情報を必要としている他の方がいらっしゃるかもという発想から上記のポリシーを持っております。

手間の掛かる燻製も手がけていらっしゃるとのことで、面倒な処理もばっちりですね。サーチを掛けるとお分かりのように、なめしはほんとに多種多様な方法があるようです。中には鹿の脳みそを皮に練り込むんだってな記事もありました。私自身ほんとに自分の方法でよいのか未だに結論付けておりませんが、一応の形は説明させていただいた方法で出来上がると思います。

九州は四つ足も豊富のようですね。鹿や猪が増えるとヤマドリやキジも減ってしまうのでしょうか。私も先週土曜日にキジを手に入れましたが、神奈川県のような都会っぽい地域では装薬銃を安心して撃てるところはほんとに限られています。まぁ仕方ないですね。

全猟誌は存じ上げております。といってもよく行く古本屋に束にして置いてあったのをぱらぱらと見ただけですので、よく知っているとは言い難いかもしれません。
itaruさんはコメントの文書構成もしっかりなされていますので、全猟誌に連載とかコラムとかを寄稿されていたのかもしれませんね。

 得がたいなめしの方法を懇切丁寧に教えていただきましてありがとうございました。狩猟環境が悪化するばかりの現実の中でハンターの夢を追っかけるのは大変ですが、お互い許される環境の中で精一杯滅び行く貴重な狩猟文化を守ってゆきましょう。 
 たくさんの分野でお活躍のご様子、何かの時にはお便りさせていただきたく思います。
 最後に、全猟誌には各地のゲーム情報も掲載されますので、何かとお役に立つかとは考えています。
ありがとうございました。

田中 至

どもitaruさん、

拙文が少しでもお役に立つように願っております。猟期もあと一ヶ月となりました。安全にかつ実り多く残りが過ごせればと思います。

> たくさんの分野でお活躍のご様子、何かの時にはお便りさせていただきたく思います。

いやいやまったく焦点が定まらない記事が多くて恐縮してしまいます。どれをとっても中途半端なことしか書いていないのですが、ごった煮やちゃんぽんみたいなブログがあってもいいかなと善意に解釈して続けております。

全猟誌は今では狩猟関係の定期刊行物としては唯一のものではないでしょうか。私たちにとって有効な情報源ですよね。銃砲ビジネス業界の風雲児だった故・築地恵さんがその昔数々のコラムを寄稿されたと聞いております。全猟誌もじっくり読んでみたくなりました。まずは古本屋で買ってみようと思います。

itaruさん、今後もこんな調子でブログは続けていくと思いますので、気が向きましたらまたコメントをよろしくお願いいたします。
こちらこそありがとうございました。

鹿の皮をなめす方法を検索していたら
このブログにたどりつきました・・・・・・

北海道に別居していていつも怒鳴ってばかりいる
父親がいるのですが、その人から鹿の皮を柔らかくする方法を探して買って来いを激しい口調で怒鳴られました。
デノミノールHSPという材料じゃないと嫌だといって
言うことを聴いてくれません。
お前が探せと言いたいんですがそういうことを聞いてくれる人
じゃないんです。
ここに載っている情報を伝えても信じてもらえません。
柔軟材は何を使っているか詳しく教えろ!
と言われてしまいます。
できる限りのことでいいので誰か知ってる人がいたら教えていただきたい・・・・

あらあら、大変ですね。お父様の鹿毛皮を柔らかく仕上げたいというお気持ちはわかります。
市販の毛皮のような柔らかさを求めるなら私が紹介している方法ではダメだと思います。私の方法はどこでも手に入る素材や用具を使って仕上げる簡易的な方法とご理解下さい。

私が使った柔軟剤は表記にもありますとおり洗濯で使う柔軟仕上げ剤やミョウバン液、ひまし油の混合です。それなりに効果はありましたが、やはり市販品並みというわけにはいきませんでした。

お役に立てなくて申し訳ないのですが、そこまでこだわるのであればプロの方にこっそり聞くのがいいのかなぁとも思いました。
お父様のお相手も大変そうですががんばって情報収集して下さいね。

タイワンリスのページで書き込みをさせていただいていました匿名です。現在、1枚目の皮をミョウバン液に漬けています。そこで、2枚目の皮があるので、こちらは脱毛してセーム皮のようにしてみたくなってきました。が、脱毛の仕方がわかりません。お知恵をおかしください。おねがいします。

ども、匿名さん、
セーム革というのは鹿皮(特にキョンがいいそうです)にアルカリ膨潤なめしを施し、魚油還元を行ったものを言うそうでして、その工程はどう行うのかは経験が無いのでわかりません。お役に立たなくて申し訳ないです。でも市販品並みの柔らかさを得るにはけっこう大変そうですね。

すでに一頭はミョウバン液に浸けているとのこと。成功を祈念いたしております。

そうですか… 他で見てみたところ、石灰乳にしばらくつけてなんやら… ということだったのですが、やはりそうそう甘くはないんですね… 検討します。

匿名さん。
お役に立たず申し訳ないです。なんでもガソリン漬けにすると毛がごっそり抜けるとか色々諸説ありますが、実際自分でやったことがないのでお伝えすることができません。検索してうまく情報にたどり着ければいいですね。

よろしければミョウバンなめしが出来上がりましたら出来上がり具合を教えて下さると嬉しいです。私もまだまだなめしは勉強中です。

毛皮のみょうばんなめしができたようです。ミョウバン液に1週間つけて、オイルを塗りながら乾かしました。ブラシをかけてもかけても毛が落ちてきます。毛のさわり心地は良いですが間をよく探ると、未だに時折ダニに会います(もちろん死んでます)。全体は柔らかいというより紙のような感じになっています。端っこのほうはとても硬いです。始めは折れ線が付きましたが、揉むと紙をクシャクシャにしたような感じで多少柔らかくなり、さらにやるとよさそうな感じもしますが、果てしないようにも感じます。どの程度で良しとしてよいのかもわからないので、なんともいいようがありません。

匿名さん、
ミョウバンなめしは終わったようですね。毛抜けが激しいということはどうもなめし前から少し痛んでいた可能性がありますね。そうだとしたら毛抜けを止める方法は難しいかもしれません。私も過去一枚はそれが原因で捨てる結果になりました。

ダニは鴨などでもいますのであまり気にしなくても良いと思います。ブラッシングをマメにやっていれば問題ないんじゃないでしょうか。

私のご紹介させていただいている方法は簡単にできる簡易方式ですので作業が簡単な代わりにお店で売っているような柔軟性はちょっと期待できないかもしれません。まぁその辺はトレードオフで考えていただいた方がいいです。

我が家の鹿はあまり柔軟性を気にしていませんが、敷物にするには十分な仕上がりになりましたよ。柔らかさより毛抜けが気になりますね。

仕留めてからなめすまで皮はずっと外(北海道なのでカチコチに冷凍状態でした)においてありましたので、腐敗していることは有り得ないと思うのですが…。ミョウバン液につけているときも、ずっと冷蔵庫の中に入れてありましたし…。毛はゴソゴソ抜けてくるわけではなく、抱えて歩くと切れ毛の様なものが服に付き、柔らかくしようと何かに叩きつけたりすると、足元に散らばる感じです。どうなのでしょう?

ども匿名さん、

北海道でしたらエゾシカですね。
腐敗はないという前提で考えて、抜け毛の原因は二つ考えられます。ひとつは鹿が夏毛から冬毛への生え替わり時期だった可能性です。斑点がある毛の状態ですと夏毛です。ですが、仕留めてから屋外で冷凍状態であったそうですのでさすがに鹿も冬毛でしょうね。

もうひとつは栄養失調の鹿だった可能性です。いずれにしても正常な毛皮でもブラッシングでいくらかの毛は抜けますが、ごっそり取れてしまうようだとちょっと先が心配ですね。一度皮を腐らせてしまったときはブラッシングでごっそり毛が固まりで抜けてきてアウトだったです。少しぐらいの抜け毛ならば正常だと思います。

腕や足などの皮の厚いところはやはり背中あたりよりは硬くなりますね。これも正常だと思っています。

まずはダニの問題もあるし、目の粗いブラシでよくブラッシングをされてみてはいかがでしょうか。がんばって下さいね。

 本当におもしろいものですね。鹿に感謝です。
 猟をしたのが12月ですので既に冬毛だろうと思っていますが、斑点がないともいえないような感じです。決してごっそり固まりで毛がとれるわけではないのでもう少しブラッシングをしてみようと思います。
 それと脚などの部分(端のあたり)はかなりの硬さですね。ブラッシングしていてすっぽ抜けたときに手が当たって軽く切れました。揉んでみるにも揉めません。強引にやると割れてしまいそうです。中央の柔らかい部分(クシャクシャの紙くらいですが…)は、敷くなどするとよさそうですが、これらの硬い部分はこの部分で特徴を活かした使い道などは何かありますか?
 

ども匿名さん、
堅めの手足の部分ですが、それだけでの使い道ってちょっと思い浮かびません。ボクの家では手足とも胴にくっついています、手足があると鹿っぽく見えて良い感じがしますが・・・
よい答えがなくてすいません。

胴回りがくしゃくしゃの紙くらいの柔らかさっていうと、そんなに悪い仕上がりではないのではと思います。素足で踏んでみると良い感じではないですか。

我が家の鹿毛皮は1年目は敷物になって2年目は壁の飾りになりました。けっこう活躍してくれております。

お話をうかがう限り、悪い出来ではなさそうな気がしてきました。正直、何に使うかは全く考えずになめしたのでこれから考えてみようと思います。

ども匿名さん、
ご自身で苦労して加工した毛皮ですから大切にしてあげて下さいね。北海道でしたら駆除でエゾシカの毛皮が手に入る機会も少なくないでしょうから、これを糧に次作で経験を生かすということも可能ではと思います。

毛皮を敷いてほっぺをスリスリすると、ちょっと感慨深いものがあります。これも苦労の量に応じて感じますよね。どうしても市販の毛皮と比較してしまいますが、手作りは手作りの良さがあるものです。なんといっても世界にひとつだけですものね。

はじめまして。なめし初心者の者です。先日知人の鹿猟に同行して毛皮を手に入れました。こちらのサイトを参考にさせていただき、ここに書かれている通りに作業を進めています。

皮をミョウバン液から上げてなめし液を塗ったのが昨夜のことです。小鹿ということもあり、タオルを干すような物干しに、皮面を上にして掛けました。外には干せないので(うちは住宅街のアパートの一階なのです)換気扇をつけたままの家の中で干しています。

今夜帰宅してから状態をチェックして、以下2点気づきました。

(1)まだ全体的に白くて生々しいですが、乾きだしたところはパリッとしてきて薄茶色です。その部分にポツポツと水滴が浮き出しているのですが、これは拭くべきでしょうか?

(2)裏の毛皮面をみたところ、生乾きの毛がバサバサと束状になっており、触るとベタベタします。ミョウバンか塩なのか、白くて細かい粉をまぶしたようになっています。ミョウバン漬けは水に弱いから水洗いしてはいけないと聞いたのですが、毛がこんなにベタベタですと敷物にできません…。このような場合はどう対処すれば良いでしょうか。濡らして絞った布で拭く分には構わないでしょうか?

はじめてのお便りで色々聞いてすみません。
アドバイスいただけると助かります。
どうぞ宜しくお願いいたします。

mossさん、こんにちは。コメントありがとうございます。所要でレスポンスが遅れてすいません。

私の記事を参考にされているようですが、まぁこれは私の独りよがりの簡易的ななめし作業方法に過ぎません。本文中に書いてありますとおり、これが正しいやり方かは疑問ですのでその点はご理解をお願いしますね。

ご質問についてです。
みょうばんと塩を使った簡易なめしでは、毛皮がごわごわになるのは塩/みょうばんが毛にからみついているだけだと思いますので、あまり気にせずに生乾きさせていいと思います。乾燥が進んできたら目の粗いブラシでブラッシングしてやるだけでも十分ではないかと思います。気になるようでしたらタオルで水分を拭き取るのはいいと思いますが、皮側はあまり拭き取らない方がいいでしょう。

私の方法はあくまで簡易的なものなので、なかなか市販の毛皮並みのなめらかさを得るのは難しいです。でも我が家では画像の毛皮はまだ壁に掛かっていますが、毛皮らしさは十分残っていますよ。

色々試してみてください。なにかお役に立つことがあったらどうぞまた聞いて下さいね。

Fibyさま、お忙しい中お返事くださり、どうもありがとうございました。

インターネットで検索してみると実に様々な方法があり、どれが正解とは言えないようですね。とはいえ暗中模索だった私としましては、一人でも経験者の方とコミュニケーションできたのが大変心強く、助かりました!

昨日の毛の様子はちょっとショックでしたが、いちいち一喜一憂せず、このまま様子をみてみます。ブラッシングだけでダメそうだった時だけ、毛が生えている側を拭いてみます。

皮をなめすのがこんなに大変な作業とは、やってみるまで思いもよらず!手がかかっている分よけいに情が湧いてきて、赤ちゃんをお世話している気分です。産んだことないけど^^)

色々試してみますね。また何かあればご相談させていただければと思いますm(_ _)m

mossさん、

毛皮からは乾燥の過程で水分が浮き出てきます。冷暗所で生乾きを進めていくと自然に無くなっていきますが、あまり気にしてせっせと拭き取っていると柔軟化させるネタまで拭き取ってしまうのでどうかと思いますね。時間を掛けて乾燥してやらないと柔らかく仕上がりませんので、急がずのんびりとやってくださいね。

簡易なめしでもこれだけ手間が掛かるのですから、市販の柔らかい仕上がりまで目指すと多分大変な苦労だろうなということは自分でやると良くわかりますよね。
私も鹿以外にタイワンリスやタヌキ、アライグマなど色々とやってみましたが、どれも特徴があって難しかったです。何事も経験です。

うまく仕上がるといいですね。がんばって下さい。応援いたしております。

Fibyさま、応援いただきありがとうございます!

本当に何事も経験ですね。鹿のお陰で、そのことを実感する日々です。

せっせとブラッシングしているうち、気になっていたミョウバン粉が表に出てきたので、はたいては落としています。毛並みも整い、美しい模様が出てきました。これは完成が楽しみです。

ところで実は、無謀なことにほぼ同時進行でもう一枚なめし中…こちらは親鹿サイズでなかなか乾きません。なめし液を塗って2日目の今日、帰宅したら熟しきった桃のような匂いが漂っており。家族にはハッキリ「臭い」と言われてしまいました(涙)

ちょっとびびりましたが、腐っているわけではないようなので、気を付けながら様子を見守っていきます。

mossさん、こんばんは。

すでに二頭目に着手されたとのこと。さすがです。毛皮を二頭分同時に乾かすスペースがあるってのもまた羨ましいです。
熟し切った桃の臭いってのがちょっと心配ですね。腐敗臭でなければいいのですが・・・

毛皮は少しでも腐ってしまうとなにをやってもリカバリーはできません。ボロボロと毛が抜けてきますので直ぐ分かります。私も手頃なサイズの鹿毛皮を加工途中でダメにしてしまったことがあります。

二枚も鹿毛皮が並ぶとなかなか見応えがありそうです。うまくいくといいですね。

はじめまして。
まだお肉をいただいているだけですが、いつかは皮もどうにかしたいとブログを読ませてもらってます。ちょっと質問なんですが尻尾の筋肉と中骨を取り除くのはそんなに手間なんですか?引っ張ったらズボッと抜けてきたり…はしないんですね。

新米ハンター さん、コメントありがとうございます。
みょうばんなめしでは市販品のような柔らかな毛皮というわけにはいきませんが、この記事を書いてから10年近く経っても毛皮はいまだ健在です。毛も抜けずにその姿を留めています。
もっといい方法があるのだと思いますが、どうぞ色々試されて下さい。

鹿の尻尾ですが、これが皮を剥くように一気に力任せにっていうようにはできませんでした。筋肉が尻尾の皮に根付いているような感もあり、もしきれいに分離しようとするならばナイフでちまちまと皮とお肉を張りながら切っていくしかないと思います。

先輩ハンターも面倒なので尻尾はちょん切っていると言っていましたが、じっくり腰を据えてやるならいい素材だと思います。トライされてうまくいきましたら是非私にも教えて下さいね。

はじめまして、
私、家族の一員だったわんこが亡くなって、
かなり寂しくて、毛皮に加工し、これからも心の支えにしていきたいと考えました。
もし、アドバイスなどいただけましたら、幸いです。

はじめさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

家族の一員であるわんちゃんが亡くなられてさぞやお悲しみのことと思います。お気持ちは理解できます。
ただ私がこの記事で書いてあるのはご覧の通りの自分よがりの簡易的な技法でして、プロが行う方法とは根本的に異なります。したがってご質問の向きのような手段としては決してお勧めできるものではありません。

亡きペットを剥製にするというような専門業者も調べればけっこうあるようです。どうかそのようなプロの方に依頼されることをお勧めします。

お役に立てず申し訳ありません。

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