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2011年10月 2日 (日)

南アルプス鳳凰三山縦走

Aokikousen

夜まだ開けぬ青木鉱泉

ここから鳳凰三山へ出掛けます
  

  

  
台風直後の南アルプスは大荒れで断念、今回はちょっとがんばって登ってみました。まだ周囲も暗い午前五時、古めかしい青木鉱泉から踏み出します。9月末の今回はここからドンドコ沢を経由して標高2800m級の地蔵岳、観音岳、薬師岳と縦走して中道を下って青木鉱泉へ戻るというルート。普通は山小屋泊一泊で巡る距離ですが諸事情により日帰り。気合いを入れないと帰ってこれない行程でもありました。

Dondokozawa

Shiraito

Goshiki

ドンドコ沢から地蔵岳へ向かうルートは変化があって楽しい反面急斜も多く、かなり気合いが入ります。途中いくつかの滝がありますがその落差分を登っていかなければならないのですから沢沿いのルートとてハンパではありません。白糸の滝と五色の滝が綺麗でしたねぇ。

Oberisc1

Oberisc2

Oberisc3

本来はお泊まりすべき鳳凰小屋を過ぎてさらに延々と歩くと地蔵岳のオベリスクが見えてきました。おぉ、あれがかの有名なオベリスクですかぁ。見えてからがまた遠い。岩場にしがみつき砂地に足を取られながら巨石の根本に着きました。元気があれば標高2764mのあの岩のてっぺんまで登るところですが、まだ縦走路と帰路が残っているので昼飯もとりあえず移動します。ここまでで7時間半ほどを消費。けっこうな歩きでです。

Sainokawara

Ojizousan2

Ojizousan

地蔵岳には賽の河原と呼ばれるところにお地蔵さんの群体があります。

このお地蔵さんたちは子宝地蔵で、子供が欲しい夫婦はこのお地蔵さんを一体お借りして自宅へ持って帰り、一緒に寝間を共にすると子宝に恵まれるという言い伝えがあるそうです。めでたく子供ができたらもう一体作ったお地蔵さんと共に元有った賽の河原へ奉納するのだとか。ドンドコ沢はその行程の中で太鼓をドンドコ打ち鳴らしてお地蔵さんを運んだことから付いた名前なのだとのこと。
ただ地蔵岳への道程はお地蔵さんを担いで簡単に登れるようなものでは決してありません。大変な苦行ができるか強力(ごうりき)を雇えるお金持ちにしか為しえなかったことでしょう。
そんなことを察してか岩場の影には木彫りの小さなお地蔵さんがありました。二体あるところをみるとめでたく子宝に恵まれたのでしょうね。めでたしめでたし。

Kiseki1

Kiseki2

Kiseki3

地蔵岳からは2840mの観音岳、2780mの薬師岳と尾根回りに縦走します。しかしこの近辺の山々は奇石が多いですね。なんだか山頂に立つオベリスクがなんであんなふうに屹立しているのかが分かるような気がします。

Jizoufuji

Kannonfuji

Yakushifuji

この日は天気が良く、鳳凰三山を縦走しながら富士山がよく見えました。見慣れた富士山も南アルプスの山頂から眺めるとまた違って見えますねぃ。八ヶ岳連峰や遠く北アルプスも望めてもう満足。

Inchikikanban今回の三山縦走の最後、薬師岳から尾根筋を離れて中道と呼ばれている下山道へ回り、標高1000mの青木鉱泉まで延々と標高差1800mを下っていきます。薬師岳から青木鉱泉まで3時間45分だとの看板が・・・
実はこれがインチキ看板でして、ボクの足でけっこうがんばっても5時間近く掛かりました。所要時間は普通の人が普通に歩く時間で書いてもらいたいなぁ。

最後の3時間程はヘッドライトのお世話になりました。合計15時間ほど歩いて南アルプスを日帰りで堪能。なかなかハードでちょっと足も痛めましたが良い天気にも恵まれて楽しい山行でした。これだから山はやめられませんね~

PS、帰ってから知ったのですが本年七月にドンドコ沢でハイカーが一名行方不明になって未だに発見に至っていないそうです。単独行は気を付けないと・・・

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コメント

15時間ですか・・・・
すごい健脚、それにしてもご無事で下山出来て何よりでした。単独での山歩きは、何が起こるかわかりませんから、無事にお車に戻れた時はさぞやホッとされた事と思います。

南アルプスの鳳凰三山て、名前からしてスピリチュアルな感じですが、やはりお山の上にお地蔵さんがあったり、不思議な形の岩があったりと、ご利益のありそうな山ですね。
鳳凰三山を縦走したFibyさんですから、何か良いことが起こるかも・・・
見た人にもおこぼれがありますように・・・(-人-;)

ども、ミーさん、

積極果敢に東北の名山を登っておられるミーさんに比べれば、けっこう泥臭く山登りをしておりますが、自分のスキル的にはけっこうリスキーな行いかなとは感じております。
単独行は自分のペースで好きに歩ける反面、なにかあったら・・・と考えればやはり心配はあります。一応単独行のときにはカミサンへ装備品一覧と行程表の登山届けを提出します。連絡が取れなくなったらこのコースを探してくれと教えてあります。非常用装備と非常食も携行しますので、まぁ一日ふつかは身動きが取れなくなっても生きていけるかなってところです。

お地蔵さんが並ぶ「賽の河原」は幻想的な雰囲気でした。あんな険しい山の奥に石のお地蔵さんを運ぶ苦労は並大抵なことではなかったと思います。子宝を求める人たちの深い気持を察することができますです。

もう子宝はいらないボクですが、お参りした御利益があれば嬉しいですねぇ。
鴨きもブログを見て下さる全ての皆さんに幸せ多きことを・・・(-人-)

鳳凰三山!何度と無く下界から眺めたか。私ゃ櫛形山の登山口止まり。
素敵な山だとよ~くわかりました。
子宝作業はとっくに縁が無いものね(^ ^) 皆さんにご利益が有りますように。
これから北海道に(^-^)/ 出張よ。

Fibyさんは何歳でしたっけ? すごいです。
大昔に夜叉人峠から北沢をとおって千丈岳まで縦走したことがありましたが、「南アルプスには二度と来ない」と決心しました。
標高差と樹林帯の毒虫がはんぱではなかったです。
一人であの山を15時間は。。。
お疲れ様でした。

ども、ノブさん、

そうそう、ノブさんはあちら方面へよくお出掛けでしたね。国道20号線から鳳凰三山はよく見えますよね。実は先日松本へカミサンと行った帰りに20号線を走りながら眺めて、「あのてっぺんへ登ってやるぞぉ」と心に決めていたのでありました。
重たい思いをしてお地蔵さんを自宅へお持ち帰りしなくても子宝に恵まれましたので幸いでした。もうお宝は十分です。

>これから北海道に(^-^)/ 出張よ。

おぉ、良い季節に良い出張じゃないっすか。ノブさんブログのうまいものレポート楽しみにしておりますよぉ (^-^)/

ども、クラウドさん、

>Fibyさんは何歳でしたっけ? すごいです。

いえいえ、とんでもありません。ボクは普通のおっさんでございます。気持だけは若く持っておりますが・・・

>大昔に夜叉人峠から北沢をとおって千丈岳まで縦走したことがありましたが、「南アルプスには二度と来ない」と決心しました。

もうこれこそ驚きです。南アルプス主脈縦走じゃないっすか。夜叉人から仙丈ヶ岳まで行って帰ってくるなんて2日や3日じゃ無理ですよね。まさに南アルプスを堪能されたのではないでしょうか。

>標高差と樹林帯の毒虫がはんぱではなかったです。

尾根歩きでもアップダウンが激しくてなかなかハードではありましたが毒虫のたぐいは時期の関係か大丈夫でした。丹沢みたいにヤマビルがボロボロ落ちてくるのは勘弁願いたいところです。

おっさんはおっさんにふさわしい分相応な山登りをしたいなと思いますです。

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