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2014年6月22日 (日)

6月の富士登山 2014 火口底へ

 

 

Gogoume_3

 

一か月ぶりの富士山です

 

 

 

だいぶ雪も溶けました
  

ある日ふと考えました。山登りを趣味のひとつと加えてからというもの、富士山は比較的お手頃な距離にあるので何度となく出向いておりました。その間に正規登山道の富士宮口、須走口、御殿場口、吉田口とお鉢めぐりを済ませた後は、須山口 精進湖口(船津口) 、というマイナー登山道、馬返しゼロ合目から山頂 までの一気登り、大沢崩れを含んだお中道一周 、厳冬期を除いた雪中登山、オフシーズンのブル道や連絡道、プリンスルートなどのバリエーションを満喫。はて、あと行き残したところはないかな?と思い浮かんだのがお釜と呼ばれている山頂火口底だったという訳です。

衆知のとおり富士山は宗教的にも大変重要な地で、7月8月には出雲大社のように全国の神々が集まるので大内院と称される火口底は立ち入り禁止となり、登山者が変な気を起こそうものなら大目玉をくらうと言われています。ただしそれ以外の月は大丈夫。神様がお越し召される7月も近い。ならば今でしょ的に行ってみることにしました。

火口底へは剣ヶ峰に近い馬の背のあたりから突入することになるという。ここは馬の背に一番近い富士宮口から攻めてみることにします。ひと月前には雪の壁 であった五合目踏出しも上の画像のようにきれいに溶けていましたよ。雪融けは急速に進んでいるようです。

Rokugou_2

Kyugou

Kyuugougoshaku

六合目の通行止め看板は新しくなっていました。5月はこんな感じ でしたから一か月で一気に季節が進んだ感じがしますね。雪の中に埋まっていた 九合目、九合五勺小屋もちゃんと露出していましたよ。

 

Jinjya

山頂神社の鳥居もだいぶ見えてきていましたがまだまだです。麓の融雪具合と比べると山頂あたりはけっこうな雪の量ですね。静岡県側のみっつの登山道における今年の山開きは7月10日と決定したのだそうです。あと3週間でこの雪が融けてくれるのでしょうかね。
ちなみに山梨県側は7月1日に山開きだとのこと。毎年思いますがこの辺の姿勢は山梨県の方が気合が入っています。山梨側の方が北側斜面になるので静岡県側より雪が多いはずなんですけどもね。吉田口登山道1本で全富士山登山者数の6割を受け持つのですからさもありなんです。

Traiwa1

Koyama

Isshinkou

さて山頂に到達してから今回のイベントである火口底への下降を開始します。先月はあれほどいた火口底へ向かうスキーヤー・ボーダーの影がまったくない。彼らのシーズンは終わってしまったのですね。ひとりで降りていくのも気が引けますがザックを岩場に置いて身軽になり、最小限の道具をポケットにねじ込み出発します。

まずは馬の背から第一火口棚と言われる鞍部へ一段降ります。雪は幸いにして柔らかく、ヒールキックが効くのでありがたい。最初は有名な虎岩の頭に登ってみましょう。

虎岩の頭から火口底をのぞき込むとけっこうな高さがあります。標高差およそ200 m。あそこまで降りるのはいいですが登るのはかったるそう。良く見れば火口底のちょうど中心に雪の小山が出来ています。こりゃすごい、富士山の中にまたお山があったなんて火口淵から眺めたのでは決してわからなかったことです。

虎岩の頭の上には富士講の一派、一心講の碑が立っています。高い標高の山々はそれだけでも信仰の対象になることが多いですが、富士山はまた別格ですね。

Traiwa2

Traiwa3

Kakoutei

急激に落ち込む雪の斜面をヒールキックで下降していきます。虎岩をよく眺めているとけっこう危なっかしい割れ目がありました。こりゃ地震でひと揺れ来たら崩落間違いなしみたいな感じです。  

この虎岩を含め火口周囲の岩場からひっきりなしに崩落があって大小の岩がガラガラと音を立てて落ちてきます。まるで白馬大雪渓みたい。私が火口底にいた時にいちばん大きかったのは頭大の岩が落ちてきたこと。大きな岩が雪の斜面を転げ落ちると、ヒューと風を切る音がするんですよ。これはむちゃんこ怖い
火口底の雪山のてっぺんから虎岩を望みます。ひっきりなしに落石があるので小山に登っていた方が安心だったりします。うむ、正面から見るとちゃんと虎顔に見える、うん。虎岩はお鉢めぐりをしていても見ることができますが、この角度で見ないと虎に見えないようです。う~む、深いぜ虎ちゃん。

危ないんで火口底を満喫したらさっさと俗界へと戻ります。といってもこれが簡単でない。30度以上の雪の急登をたっぷり1時間掛けて火口淵までの登り返しとあいなります。

Gps1

いやぁ、火口底への往復はしんどかったです。日帰りでゼロ合目から山頂へ登った時か、お中道を18時間さまよったのに匹敵するぐらい疲れました。週末土曜日だってのにここまで来るご同輩はまったくおらず、足でもくじいたら誰も見つけてはくれんだろうなと不安でしたね。

さすがに火口底廻りはGPSの電波も届かないのかログもぐしゃぐしゃ。富士山の火口っていうのは火口淵から見えているのはほんの一部であったことも実際に降りてみて分かりました。いい経験です。

 

 
でもこの経験は1回でいいや (^^;

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コメント

いつもいつもFibyさんの健脚ぶりには感心してしまいますが、今回は富士山に登ってからお鉢に下り、又登り・・・・私になど気の遠くなるような登山です。でもおかげで富士山のお鉢の中の様子など、いろいろ見せていただけて様子がわかってありがたいです。
でも、雪の斜面とても危険な感じがしましたが、どうか、あまり無理なさいませんよう、気を付けて下さいね。

富士山はこれから山開きなんですね。先週、湯の丸山から見えた富士山にはまだ雪が残っているように見えましたが、あれは山梨側の富士山?

ども、ミーさん、

とんでもございません。この程度でへろへろになっているようでは健脚だなんてとても言えません。火口底からの登り返しはほんとにしんどかったです。山頂まで戻らないことには帰るのもままならないですからね。

しんどいことを除けば火口底はとっても興味深い対象でした。猿倉から登った白馬岳の大雪渓のようにガラガラと岩が落ちてくるのには驚きましたよ。富士山の崩落は大沢崩れだけではないんですねぇ。

信州湯の丸や池の平はミーさんのお家から近くていいですね。こんなさわやかなところに思い立ったら直ぐに出かけられるのがうらやましい。我がフィールドの丹沢はヒルの最盛期を迎えてちょっと足が遠のいています。

信州からも富士山が見えましたか。山梨側も静岡側もまだまだ八合目あたりから上は雪景色で、富士山らしい雪帽子をかぶった姿が見られると思います。
7月1日の山梨側の山開きまであと一週間。開通できるのか興味しんしんです。

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