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2015年4月18日 (土)

約束事と表現の狭間 (京都明徳高校編)

Band1_3とっても難しい問題です
  

でも許される時もあると思う
  

 

  
近隣アジア諸国のツーリストが日本にやって来ると、市民のモラルの高さに皆驚くといいます。日本人ならだれでもやっている基本的ルールを守るというということがそんな人たちには奇異に映るらしい。

競技の優劣を決めるコンテストには必ず守るべきルールがある。公平さを期すために競技者は同じ土俵の上で戦うのは当然のこと。ただお上が決めた決まり事の上ではどうしても収まりきらない訴えたいものがある場合、どうしたらいいかという葛藤の生まれる事はあるでしょうね。

京都府マーチングコンテストではフリーの部なんていうしゃれた部門が用意してあって、全日本吹奏楽連盟が定めたガチガチの規定 によらない自由な表現の出来る場が用意されている。さすがマーチング先進圏である関西らしい発想ですね。(後にこれは過去のフェスティバル部門の名残なのだと知りました)
そのフリーの部でとっても興味深い京都明徳高等学校の演技をYouTubeで見つけました。

上に張った動画を見るとフリーの部の唯一の規則である6分間の演奏枠を大きく超えてしまっている。その演技時間は8分以上もあり、明らかにうっかり超えてしまいましたというようなレベルではなく意図的なものであることがわかります

Pet2_2

この演技内容がまた面白い。これはマーチングというよりもミュージカルに近いですな。規定の部では使用できないプロップ・手具・ピット楽器がてんこ盛り。ハッピーエンドのシンデレラストーリーを表現したかったのでしょうね。ビブラフォンやバッテリーのパーカスの響きが耳に心地良い。京都明德は吹奏楽では名門校ですので演奏も上手です。いいじゃないっすか、好きだなぁこういうの。

私はこの作品をコンテストに持ってきた生徒さんや指導の先生に拍手を送りたい。コンテストでどうしても表現したい主題があるが6分間の枠で収まらない。ストーリーを端折って6分に納めるか、ルールを破る事を承知の上でこれを行うか多分二者択一の議論が彼らの中であったことと思う。でも彼らは後者を取ったのですね。
当然フリーの部と言えどもそこはコンテスト、その中で競う他校のライバル達もいるのですからルールから逸脱する事は即失格、評価対象外となるリスクもある。あえてそのリスクを承知の上でも自らの主題を追い求めるのだという発想はすばらしいと感じる。

Drums2

もしかしたらこの作品はレギュレーションの違うM協の大会のために作ったものなのかもしれませんが、そんな憶測はどうでもいい。
演技の終了で大きな拍手が湧き起こる。彼らの成し遂げたんだという満足げな表情がとっても印象的でした。YouTubeにアップしてくれた人に感謝。

全ての参加校の演技が終わった後の表彰式 。京都明徳高校は失格とはならず参加賞を授与された。参加校に与えられる表彰状には審査結果に合わせて金賞・銀賞・銅賞の輝くステッカーが張ってあるのだけれど、同校の表彰状には手書きの「参加賞」という文字が見て取れる。規定の部だったらまず確実に失格となっていたことでしょう。

京都府えらい。彼らに参加賞を与えた京都府吹奏楽連盟と審査員の心意気にも拍手。表彰状を受け取る生徒さんも笑顔を浮かべていましたね。

教育的配慮があったのでしょうが日本のお堅い方達もこんな見方ができるようになったとは喜ばしいことです。
でも京都ってほんとにすごい高校が多いのですね。こりゃやっぱり自分の目で確かめに行かないと・・・

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コメント

いいですね~
賞なんかより遥かに得るものが有ったんでしょうね。
こう言うの大好きです。

ども、花の五六八さん、

おっしゃるとおりだと思います。
この動画でいちばんすばらしいと思ったのは、演奏が終わって拍手が湧き起こった時の彼らの満足げな表情です。もう何とも言えないくらいのさわやかさがありますね。これぞ青春って感じです。

日本でも数少ない国際観光文化都市である京都ですが、文化面でも我が郷里はかなわないなぁとつくづく感じます。京都はいままで神社仏閣のイメージしか無かったのですが、最近は認識を新たにしました。
京都、すごいです。

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