硫黄岳と野天風呂
今年も例によってお盆休みは無し、普通に働きます。ちょっとくやしいので平日に1日休暇を貰って八ヶ岳連峰のひとつ、硫黄岳へ登ってみることにしました。
4WDならばもっと先まで入っていけるのですが我がFFではここが限界。舗装路の駐車場に車を置いて午前五時に踏み出して荒れた林道を入っていきます。目指す硫黄岳は本沢温泉の遙か先。温泉まで2時間半かぁ。せっせと登って降りてこないと温泉に浸かっている時間が無くなります。カラーのポスターがありました。こんな美しい女性と温泉でご一緒できるのなら登山者カード10通くらいは書いちゃいますがね。
林道を歩いていると朝日が昇ってきました。今日は良い天気のようです。
見た目そんなに荒れていないように見えますが、この未舗装林道はクロカン4WDかSUV4WDが必要な感じ。乗用4WDでは登れても腹をこすりますな。私の最低地上高150mmの自動車など間違っても入れません。
途中富士見平の看板が。富士山なんてどこにいるんだよと見渡すと木々の隙間から覗いていました。この後雲が出てしまったので山頂でも富士山は拝めなくて、これが貴重な出会いとなりました。
本沢温泉に着きました。所要1時間40分。まぁいいペースです。温泉も入りたいけれどまずは山登り。本沢温泉から5分ほど上ったところにある怪しげな野天風呂の入り口を横目で確認しつつ硫黄岳を目指します。途中奥秩父の山並みがきれいでした。奥秩父の百名山は全て登っているので知っているお山もいくつかあるはずなのですが、どうもここいらの山は山座同定が難ししくてできません。
八ヶ岳はカモシカがけっこういるはずで期待していたのですが出会えたのはイワツグミイワヒバリだけ。北アルプスや富士山の山頂にもいる生息域の広い鳥です。
稜線に出ていよいよ山頂が見えてきました。ケルンがボコボコとここかしこに立っていますね。珍しい光景ですが降雪期には大切な道しるべになるのでしょう。御嶽山が見えていました。火山灰の跡が痛々しいです。もう噴火は収まって麓のスキー場もがんばっているようですよ。
硫黄岳山頂です。けっこうさくっと登れてしまいました。まずは近くの方に記念写真を撮ってもらっておやつの山バナナ。
今回はコンビニで1本100円の高級品。これがまた意外に美味い。バナナなんてフィリピンも台湾も大差ないと思っていましたがリオオリンピック協賛南米エクアドル産のバナナは大差ありましたぜ。
向こうにはお隣さんの橫岳と赤岳が。赤岳を登った のも真夏の暑い時期だったなぁ。この後に温泉が控えてなければ一気に縦走したいところです。
硫黄岳山頂から見る名物爆裂火口はすさまじい存在感を感じます。その昔、山が吹っ飛ぶくらいの大噴火があったのでしょうね。変色しているのは硫黄分かな。周辺にいい温泉が湧いているのもうなずけます。
目を転じれば南アルプスも見えていました。先月に登った 仙丈ヶ岳も優しい山並みを見せておりましたよ。
さぁて、ひと汗かいたので狙いの野天温泉です。硫黄岳山頂を満喫したら来たルートを戻り本沢温泉まで下ります。
登山道を下りながらふと沢側を見るとそれらしき風呂が目に付きました。おぉあれだ。でも登山道からは丸見えの雰囲気で視線を遮るものがない。こりゃ女性には厳しい環境です。見目麗しき女性もいないが野郎もいない。幸いにも平日なので空いています。貸し切りの予感に胸膨らまして本沢温泉まで下り、600円のチケットを買い求めてまた登り返します。なかなかしゃれたデザインのチケットですよ。うむ、これを書いた人の絵心が感じられますねぇ。
ここは日本人のモラルとしてちゃんとお金を払いましょうね。さて怪しげな入り口を入って沢へ抜けると檜張り風呂桶の様子がよく分かる。沢の斜面を削って作られているようですな。
泉質はもちろん硫黄泉。草津のようにピリピリとくる刺激がたまりません。推定泉温は41度から42度という夏場だとちょっと熱めの適温。先程登って来た硫黄岳と爆裂火口を眺めながらのお風呂は言う事なし。水場で汲んでおいた冷たい八ヶ岳のお水をちびちび飲みながら、ん~しあわせっ。
出たり入ったり小一時間もうだうだしてしまった。今回はツエルトをザックから抜いて、腰巻き用バスタオルとお風呂後のお着替えもちゃんと背負ってきております。万がいち女性がいらっしゃったら粗末なものをお見せするわけにはいかないという配慮でしたがこれは空振り。着替えは正解。せっかくお風呂に浸かったあとに汗だくの服をまた着たくないですからねぇ。
すばらしい温泉でした。ここに来て帰るだけでも往復4時間は歩かなければならない温泉ですが、苦労をしてでも入る価値はあると言えましょう。ここはお勧めです。ただしどっぷり浸かっていると体が硫黄臭でぷんぷんになります。まぁそれもいいかも。
今回は山登りと言うよりも野天温泉のついでに山登りって感じでした。いいじゃないっすかこんなのも。これも山の楽しみですよね。
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