横浜 工作船資料館
皆さんはまだご記憶でしょうか。今から14年前の平成16年12月、九州の暴力団へ麻薬密輸をしていたと考えられている北朝鮮の工作船が、海上保安庁巡視船の追跡を受けて最後は自爆して自沈した事件がありました。当時はセンセーショナルな出来事として報道され、きわめて難しい側面を持つ公海上の国際的事犯に対し、勇猛果敢に対峙した海上保安庁の巡視船乗組員にやるじゃねぇかと感服したものです。
その後に船はサルベージされ、引き上げられた船と積まれていた数々の物的証拠は神奈川県は横浜にある海上保安庁資料館に現在は展示され、その当時の生々しい痕跡を留めております。
いやぁなかなかの迫力です。以前より行ってみたかったのですがなかなかチャンスに恵まれなかったことが悔やまれます。一見すると赤さびた廃船のようですがそこいら中に残る弾痕の穴が激しかった銃撃戦を想像させます。
船内から回収された小火器の展示はなかなか興味を引く。AKS-74は折り畳み式ストックを持つソ連製アサルトライフルの北朝鮮ライセンス生産品。そのマガジンに収まる5.45mm実包の小ささに驚いた。米軍筋が使っている5.56mmのタマより明らかに小さい。このサイズはスモールボアライフル に使う22口径標的射撃弾と大差ない。これなら30発マガジンに収めてもそう重くはないだろうし、フルオートでバリバリと撃ってもホールドできそうです。
とはいえこんなものを巡視船に向けて撃ってもらっちゃ困るぞ。
巡視船が自動小銃やロケット砲で攻撃されたために反撃に出て、20mm機関砲の正当防衛射撃で工作船の左舷船首部分は穴だらけです。機関部にも相当数が命中していて一番エンジンはまともに動いてはいなかったことでしょう。
北朝鮮がならず者国家、悪の枢軸、無法者政権と呼ばれていたまっただ中で起きた事件でありました。今の北朝鮮を取り巻く国際情勢ははなはだ流動的ですが、歴史的事実はしっかり記憶に留めておくべきと思いを強くした見学でありました。
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