間ノ岳登山 百名山46座目
今月は持ち越せない休暇の消費月間。汗水たらして働いた自分にご褒美を。天気予報で狙いを付けると6月25,26日は梅雨の晴れ間の可能性が濃厚ときた。これを逃すと後悔しそうなので今回南アルプスを狙ってみることにしました。
北岳は過去苦しい思い出と共に登頂を果たしているので今回は間ノ岳狙い。日本で四番目の標高のお山ですね。踏み出しへのアクセスに登山バスか乗り合いタクシーを使わねばならず、その最終便は早くに無くなるため小屋泊かテント泊が必須。たっぷりお休みをもらえるわけでもないので北岳はパスして2日間で間ノ岳ピストンを考えました。
休暇はあっても予算は無いので小屋は泊まらずテント泊。北岳山荘のテント場は800円で済むのでありがたい。芦安に車を置いて乗り合いタクシーで広河原へ。バスより早く朝6時過ぎに踏み出せました。久々のテント泊装備で背中が重い。まだ標高2800mを超える北岳山荘テント場は寒いので防寒装備を含んでの15Kgは肩にずっしりと食い込みます。
踏み出しの広河原からまず吊り橋を渡って登山道へ入っていきます。狙ったとおりの上天気ですよ。遠く北岳が見えていますが目指す間ノ岳はさらにその裏側・・・。歩行距離の短い大樺沢(だいかんばさわ)沿いのコースを間違えないように取ります。以前の北岳登山の際に同じルート取りを間違えて御池小屋経由としたために登山バスの終バスに乗り遅れてしまったのは苦い思い出。その後真っ暗な林道を延々と20Km歩いて車まで戻った辛さはいい経験則になっています。
二股からは雪渓を八本歯のコルまで延々と登りますがこれがけっこうきつい。雪は柔らかく前爪の無いアイゼンでも問題は無いけど最終的に30度を超える斜度の雪渓は重いザックがぐらっと来たらそのままさようならとなってしまう。登りはまだいいが下りはピッケルが無いと滑落停止もままならない感じ。帰りも楽してこのルートを使おうと思っていたけど即座に却下。となると北岳を廻るしか帰り道がなくなる。5割増しで行程がハードになるけど仕方ないですな。
八本歯のコル直下のはしご場がまたきつい。ともかく縦、縦とくる。以前の北岳登山の時でもここでバテたが今回はその時の倍の重量を背負っている。今のFibyさんは一味違うんだぜと自分に言い聞かせなんとかクリア。
まずは北岳山荘へ着いてテントを張らなければならない。北岳の腹をトラバースしながら登山道わきみるとキタダケソウが可憐なお花を咲かせている。なんでもなさそうなお花ですが北岳界隈の固有種なんだそうですよ。お花の写真って難しい・・・
テント場に着いて今夜の宿を作ります。テントを立てたら間ノ岳まで登っちまおうとも考えていたのですがスタミナが続きませんでした。テントの中でごろんと横になったらもう動けませんのパターン。まぁ明日があるさ。登山バスの終バスに乗り遅れなければ・・・
夕方に富士山が顔を出しました。意外に大きく見える。北アルプスからでも富士山見えますがやはり距離があると小さいです。一瞬の雲の切れ目でしたが1分後にはまた雲の中。見慣れた富士山ですが標高2800mからその姿はなかなかのもの。明朝に期待します。
夜は放射冷却もあってか6月末とはいえ氷点下まで下がりました。昼間に溶けた雪がカチカチに凍っていましたからね。重たい思いをして防寒対策を用意しておいて良かったです。6月26日の夜明け、苦労をして登って来たものだけが見られるショーが以下。
雲海に浮かぶ富士山、間ノ岳のモルゲンロート。そして稜線から登る朝日。矢継ぎ早にやってきます。なんとすばらしい情景でしょうか。こんなにきれいな富士山は見たことがありません。まだ登頂すら果たしていないのにもう今回の山登りは9割満足したみたいな感じ。玄人登山家は富士山は見るものであり登るものではないと言います。私は見てもよし登ってもよしの富士山だと思うのですがね。
朝のすばらしいショーを見終わってから間ノ岳の山頂へ向かいます。途中で一緒になった本日はオフだという小屋番の方と色々なお話をしながら山頂へ。私のテントの横で単独登山女子を一生懸命ナンパしながらも轟沈してしまったちゃら男君の話でひとしきり盛り上がってしまいました。山小屋の裏話などもなかなか興味深かったです。Ι さん、楽しいお話ありがとうございました。
テント場から1時間半ほどで間ノ岳3189mの山頂へ。日本第四位の標高があります。今年の目標としては1番から5番までの標高のお山は登っておこうというもの。残るは第三位の奥穂高岳だけ。雪がもう少し解けてから行きたいですねぃ。
テント場に戻りテントを畳んでさぁ帰ります。ただ帰りは北岳に登らないと帰れない。ここは通り道にするにはもったいない日本で二番目に高い標高のお山でもあります。
吊尾根分岐を超えてからのラスト標高差100mが特にきつい。槍ヶ岳みたいな山容の北岳ですが、やはり背中が重いと前回みたいなふうにはいきません。北岳の山頂へ。
今回から鴨きもヘルメットと記念写真。そうかこの手があったなと。これからもこれでいこう。北岳山頂からの甲斐駒ケ岳や仙丈ヶ岳がまたすばらしい。梅雨の晴れ間を独り占めって感じです。
けっこう余裕を持って北岳を後にしたのですが、踏み出しの広河原に戻れたのが終バスの30分前。やはり背中が重くてペースが出ませんでした。テン泊は暖かくなってからの方が荷物が少なくていいですなぁ。
絶景も楽しみも多かったすばらしい山行でした。今年前半の運を使い切った感じ。機会があれば北岳山荘にもぜひ泊まってみたい。小屋からは南アルプスの天然水を無償で提供していただきました。ありがたかったです。
まだ梅雨は続きますが7月から本格的な夏山シーズンが始まります。次は北アルプスかな・・・
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休暇もアクティブに過ごされる、素晴らしい!無事帰還でよござんした。
北岳も登られたんですね。目の前に第二位、さすがに「今までのFibyさんとは二味違うんだぜ」ですね。とにかく天気が良くてよかったですね。
テン場と富士山の写真がいいなあ。私は「玄人」だから眺めて楽しんでます。そうそう、毎日東丹沢観望がクセになって来ました。すぐ目の前ですから楽しいです。もっと中央部の方が山らしくていいのかな。
穏やかな時よりも天候に変動がある時が表情が豊かになっていいですね。山岳写真って好天過ぎるよりも、そう言う時の方が味がある様ですね。
休日お体ご自愛ください。
投稿: ノブ | 2019年6月29日 (土) 08時38分
ノブさん、
今回のお山は楽しかったですよ。辛かった山も楽しかった山も過去有りましたが皆思い出になります。でもどうせなら楽しくて記憶に残る方がいいですものね。
富士山の画像をご評価いただき恐縮です。RX100はいい仕事をしています。このカメラのいいところは目で見たそのままと非常に近いイメージで記録できるっていうところに尽きると思います。すばらしさがすばらしいままに記録できるっていいなと思います。
ただお花は難しい。まだまだ研究の余地ありです。
ノブさんのように毎日丹沢山系を眺めて過ごせるうらやましい環境に無い私は、結局自分から出向くしかありません。でもたまに見るからまた新鮮ってところもあるかもですね。
> 山岳写真って好天過ぎるよりも、そう言う時の方が味がある様ですね。
おっしゃるとおりと思います。晴れていればそこそこな画像は誰でも残せます。やはり朝方、夕方、夜という時間帯にポイントが眠っていそうです。そこまでの苦労もそんな情景に出会うとさくっと昇華されます。山っていいもんだなって思う瞬間です。
投稿: Fiby | 2019年6月29日 (土) 09時33分