噴湯丘に奮闘する その1
噴湯丘というのをご存知でしょうか。長野県大町市、北アルプスは槍ヶ岳のそのまた北に流れる高瀬川の上流域にあり、温泉の噴出物が高く積み上がり「球状石灰岩」を形成しているのだという。そこへ行きつくには延々と歩いた先で、さらに急流の渡渉(川渡り)を繰り返さねばならないという難度の高いところにある。何年か前にその存在を知り、川の水量が減る秋口を狙って虎視眈々と狙っていました。9月27日、休暇を貰って満を持して決行します。
しかし予想した通りその道のりは遠い。踏み出しとなる七倉温泉に車を置いて、ベースキャンプとなる晴嵐荘テント場までの平面距離は17km。まずはそこまで行きつかねばなりません。途中高瀬ダムまでは七倉から乗合タクシーが出ていて6Kmほどズルができる。ただ私が踏み出す午前5時過ぎにはまだタクシーは無いので無条件で歩くことになります。
タイトル画像は踏み出し直後にある隧道です。タイムトンネルと聞いて懐かしい人は相当のおっさんですよ。まさに異次元に向かうような雰囲気がありました。一般車通行止めの道路を徒歩で登って行きます。夜が明けてモルゲンロートもどきが見れました。これもタクシーに乗っていたら見られなかったことでしょう。
せっせと歩みを進めていたら後ろからタクシーに追い越されました。やっぱそっちのほうが楽ですよね。いえいえ人間楽しちゃいけません。高瀬ダムの直下まで来ました。石積のダムでこれがまた珍しい。よく水が漏れないものです。急傾斜のつづら折れの道をひたすら進みます。
ダムの止水堰まで来ました。ここまでタクシーが来るようです。わたくしの所要時間は踏み出してから1時間半。タクシーだったら15分だそうです。いえいえ人間楽しちゃいけません(再)
ここからはダムの管理用道路を歩きます。最初のトンネルは長さが1300mほどもありまるで冷蔵庫のように冷たくてトンネルを出る頃には鼻水を垂らしていましたが、次のトンネルは打って変わってなんだか生暖かい。流れ出ている湧水を触ってその訳が分かりました。
温泉がトンネルの中で湧いているんです。この先高瀬川沿いに登っていくと時々硫黄臭が鼻をつくこともありました。ここは火山地帯なのですね。
ダム湖を築造する際に湖底に沈んだ木々が残っていていい雰囲気です。エメラルドグリーンの湖水も綺麗です。
管理用道路が終わりここから登山道になります。といってもほとんど川沿いに進むのでさほどのアップダウンはありません。
なになに登山道崩落とな。どんなふうに崩れているのかちょっと拝見。
こりゃ危ないです。残っている道の裏側はがらんどう。踏み抜いたらそのまま河原にまっさかさまです。ここは大人しく迂回路を回ります。
前方に晴嵐荘が見えてきました。ここまで踏み出しから休憩はさんで5時間弱。歩行17Kmはやはりそこそこのボリュームがある。行く着くには渡渉が必要かな?橋があるのか丸印に向かいます。
丸印でないところに丸太橋がありました。濡れることを考えればこれはありがたい。さっそく晴嵐荘でテン泊の申し込み・・・
玄関はカーテンが閉められていてご不在の様子。これから週末なのでそのうち小屋番の方もいらっしゃるだろうとテントを先に設営させていただいて、竹村新道の途中にあるという見晴らし台へと向かってみます。標高差で250mほど登った先にあります。槍や小槍も穂先だけですが見えていましたよ。
眼下には今回のメインイベントである噴湯丘も見えています。
等倍で切り抜くとこんな感じ。
すごい、なんだかワクワクしてモチベーションが高まってきました。あの噴湯丘に会いに行きますよ。さっそくテントに戻り身支度を整えます。苦難がこの先待ち受けているとも知らずに・・・
以下次号。
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こ、これは!マニアックだなあ。
先づはタイムトンネルね。雰囲気あるわあ^^ 中が手掘りっぽかったら萌えます。そして高瀬ダム。確か15日だったか旅番組の様なものでお笑いタレントが行ってレポしてた様な...ロックフィルダム。好きです。
晴嵐荘に行く途中の平らな所にはトロッコ電車の跡が有るらしいですが、如何でしたか?
野に有る秘湯を巡る。温泉好きにこれ程血が湧くものは他に有るのでしょうか。某番組で、女子が訪ねるのが有りましたが、Fibyさんも桶の用意はバッチリと? 続編楽しみです。
ちなみに私は岩手出張で仕事終わりに鉛温泉へ投宿でした。ビジネスマン姿で湯治部へ...色々な湯治が有るってものですわ。
投稿: ノブ | 2019年9月29日 (日) 22時16分
ノブさん、
タイムトンネルご存知でしたか。当時のTV番組のSFものの中ではセットにコストが掛かっていてなかなかリアルでしたよね。そうそうロックウェルダムです。よくあれで水が漏れないものだと感心します。
トロッコの線路は無かったなぁ。それらしい雰囲気も無かったので私が歩いたところとは違う方面だったのかもしれません。
> Fibyさんも桶の用意はバッチリと? 続編楽しみです。
なにも匂わしていなかったのになんで分かっちゃうんですかぁ。さすが百戦錬磨のノブさんにはかないません。桶は持って行きませんでしたが海水パンツでばっちりです。
鉛温泉は花巻ですよね。昨年夏に花巻に行った際に行きたかったのですが足が伸びませんでした。ビジネスのついに温泉宿とは粋です。そんな出張もいいですね。
投稿: Fiby | 2019年9月30日 (月) 18時45分