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2019年10月19日 (土)

日本百名山 英語版

Book5  
職場のボスにお借りしました

英語版なんてあるのですねぇ

台風19号は各地で大きな爪痕を残し甚大な被害をもたらしたようです。台風の進路至近あった我が家も万が一の準備は怠りなくしておりました。幸いなことに住まいには被害が無くて済み、駐車場に停めていた自家用車に、どこからか飛んで来たものがボディにぶつかったダメージがあった程度でした。各地で水没車もたくさん出ている中、そんな程度で済んで良かったと言えましょう。
被災した方々が早く日常に戻れるように願っております。

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職場の中ボスは米人のくせに日本のお山に興味があるらしく、やれ北アルプスと南アルプスは登ってどっちが楽しいかなどと聞いてきます。いやに詳しいのであんたの情報ソースはなんなの?と聞くと、これだと見せてくれました。

深田久弥著「日本百名山」の英語翻訳バージョンです。ハワイはホノルルのハワイ大学出版局発行のハードカバー本。こんなものがあるとは知らなんだ。存在そのものが驚きですが、こんな本を買うボスにも驚いてしまいます。
本はネイティブ向けのため難解な表現もある。何日か借りることができたので苦労しながら一部読んでみるとこれがなかなか面白い。

Book2

深田久弥の文学的表現を訳者はよくぞ英語にしたものです。中身はテキストばかりでイラストや写真はほんのわずかが挟んであるだけ。英語圏の外人さんがよくこんなのを飽きずに読めるよなと感じる。まぁ本が本だけにそんなものなのでしょうね。

まず最初に用語解説のglossaryがたんまりある。文中の名前などの固有名詞やローマ字日本語を理解するのには不可欠。いやあっても難しいですよ。百名山の本には万葉集からの引用なども出てくるのだけど、そんな日本の古典を外人さんが分かってくれるなら日本人として嬉しいのですがね。

ちょっと興味があったのが以下のオリジナル日本百名山の中にある槍ヶ岳紹介文がどんなふうに訳されているかということ。

一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。

英語版の文脈の前後関係から推測して上記の英語翻訳箇所では・・・

Whenever we go to the mountains, we are apt to hear a jubilant voice exclaim "Ah, there's Fuji !" or "Ah, there's Yari !". Recognized at a glance, that distinctive spire is hand to miss.

ごめんなさい間違えました、よく読んだら以下のパートでした。

Just as everyone want to climb Fuji once, so anyone with a passing interest mountaineering has to do Yari.

となる。これを意訳すると・

誰もが一度は富士山に登りたいと願うのと同じように、山登りに興味がある人は槍へ登らねばなりません。

となるのだが 少し違いますなぁ。 訳者がいかに日本語への造詣が深くても文学的表現をそのまま英語にはさすがにできないですよね。訳者マーチン・フッド氏の苦労も分かりますが、日本人としては素直に深田久弥のオリジナル本を読んだ方が幸せになれそうです。

Yari_hosak1iこんな本を読んでしまうとなんだかムラムラときてしまいます。50登頂で満願成就としてしまった私の百名山ですが、機会があったらあとひとつやふたつ積み増ししてもいいかなと思ったりして・・・優柔不断なわたくしではあります。

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