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2021年3月17日 (水)

TPMS

Body
TPMSって知ってますか?

かの国ではポピュラーなようです

Tire Pressure Monitoring System のこと。タイヤ空気圧監視装置とでもいうものでしょうかね。4輪のタイヤの空気圧を常時モニターしてその空気圧を表示し、閾値より下回ったり上回ったりしたときには警報で知らせてくれるという便利なしろもの。日本ではレクサスなどの高級車には標準で装備しているケースはあるけど、私が買えるような大衆車にはまだまだ普及は進んでいないようです。

2年ほど前にその存在を知って試しにと買って使ってみたもの。これがそこそこ正確に空気圧をモニターして知らせてくれるのですよ。タイヤのバルブキャップの代わりに取り付ける空気圧を測るセンサー子機がそれぞれ親機と通信してリアルタイムに圧を表示する。子機には温度センサーも含んでいてタイヤ周りの温度まで計ってくれるしバッテリー電圧まで表示する。これはなかなかの優れものです。

手持ちの比較的正確なプレッシャーゲージと比較してもその差は0.1Kg/cm2程度と小さく十分実用域に入っている。外気温が低いと空気圧も下がり高いと上がる。走行を始めて摩擦でタイヤ温度が上がると空気圧も上がるというような変化が手に取るように分かるのですよ。
入れたことは無いけど窒素ガスを充填するとその差が少ないと聞く。タイヤの空気って熱膨張と収縮をけっこうな範囲で変動させているのですねぇ。

このTPMS、中国では義務化されているようで通販でも安価なTPMSがよりどりみどりで選ぶことができる。安く手に入れたいと考えるなら中国通販で買うのが圧倒的にお得ではあります。ただこれにはちょっとした落とし穴がある。日本の技適(技術適合基準)に通ってないのですよ。

このTPMSは安いとはいえ無線通信機器になる。中国販売品のスペックを調べると433.92MHzを使って通信をするようだ。日本ではこの周波数はアマチュア無線のUHFバンドに含まれる。これだけでアウトですね。一応現役のHAMであるわたくしとしては、この種の商品が微弱電波にてバースト通信を行うのでアマチュア無線に混信妨害を与えるような迷惑は掛けないとは分かっていながらも、やはり心情的に選べないですな。
Giteki そこで数少ない選択肢の中から日本の技適に通った機種を選びました。技適番号で調べると通信周波数は315.92MHz、不要輻射強度も-60dbとなかなか優秀。電源はシガープラグから12Vを得るので表示も鮮明でなかなかよろしい。ただ快調に使ってきたものの親機の1チャンネル分の表示がたまに消えてしまう。そこでダメもとでばらして中身を見てみることにしました。

本邦初公開、TPMSの中身です。

Dcdc

シガープラグをバラすと電源部が出てきます。DC-DCコンバータで5Vを作っていてこの辺の作りは車用のUSB充電器と同じ。ケミコンの耐圧は35Vでトラックの24V電源でもちゃんと動きそうです。

Display

作りは荒いですが表示が鮮明なのがこの機種の売り。過去ソーラーで動くような安価品を使いましたが液晶表示が暗くて実用的では無かったです。

Mainunit_20210317214001

本体の中身はこんな感じ。基板上真ん中にあるチップはSH79F3283というSoCで演算から表示器のドライブまで面倒を見ているようです。右側のチップはATA5428というUHF帯のトランシーバーユニットになります。このチップひとつで無線機が完結してしまうのですからすごいなと思いますよ。アンテナは本体の飾りモールのように見える枠がループアンテナとして機能しているようです。合理的な作りだ。

Sencer

圧力センサーユニットもばらしてみました。これもシンプルです。これ専用のチップSP37DLで圧力検出と送信機をまとめて賄っているようです。光る四角のチップは18MHzの発振器。3Vのリチウム電池で駆動しますが2年位は電池交換なしで動くので上等です。

結局手を入れる余地はありませんでしたが中身が知れて勉強になりました。これを見て思うのは、こりゃ日本じゃ太刀打ちできないなということ。実は技適を取っていない同型製品は30ドルくらいで中国通販サイトで売っています。これを3000円なにがしで売られた日には日本企業はもうお手上げです。中国恐るべし・・・

TPMS装着が義務化されているかの国では数がさばけるスケールメリットもあるのでしょうね。国内ブランドのこの種の製品が手に入るようになるには法改正まで待たねばならないようです。まぁこんなものが無くてもまめに空気圧をチェックしていればなんの問題も無いのですがね。

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