燕岳とライチョウ
世間様はゴールデンウィーク。ただしお上は黙ってお家にいろという。命令に忠実なわたくしはそのご下命に従って大人しくしております。まぁGWは例年普通に仕事をしなければならないのでいつものことなのですがね。そんな週末は過去の画像を引っ張り出して想いにふけるのです。今回は夏の北アルプスは燕岳(つばくろだけ)のお話です。
中房温泉で登山届を出していざ出陣。まず目指すは合戦小屋。今日のテント場(ば)へ向かうちょうど中間点に当たります。合戦小屋という屋号にはちゃんとした由来があるとの案内看板がありましたが、疲れていたので読みませんでした。ごめんなさい。
合戦小屋名物のスイカです。これで500円は十分な価値がある。水分の抜けた体にしみわたります。なんでこんな山奥の小屋にスイカが売るほどあるのかというと、ここまで麓から荷揚げ用のロープウェイが通じているからだったりします。おかげで山で冷えたスイカが食べられるのだからありがたいことです。よく見れば小屋の屋根やベンチまでスイカカラーなんですね。
水分を補給して先を急ぎます。途中の鎖場を登り北アルプスらしい急登をかわしていきます。
標高2500mほどの森林限界を超えて尾根筋に出ると槍ヶ岳のお出ましです。
槍を見ると北アルプスに来たなぁという実感が涌きますね。さらに進むとメインキャストの燕岳が眼前に飛び込んできます。
きれいな山容のお山ですね。あの頂に向かうのが楽しみです。さてまずは燕山荘(えんざんそう)へ立ち寄ってテント場の手続きをします。山はツバクロですが小屋はツバクロ山荘とは言わないんですよね。
きれいな山小屋です。燕山荘は日本一のホスピタリティを誇る山小屋であるという評判です。いつかは泊まってみたいですな。テント場で良さげなところを探します。
背中に槍ヶ岳、正面に燕岳を望む絶好のロケーションでテントを立てましたよ。時間は昼過ぎ、背中も軽くなったので燕岳の山頂へ向かいます。
花こう岩の細かい砂地の尾根筋を歩くのが気持ちいい。飛騨山脈の穂高連峰は常に眼前にあってもう最高です。なんだか変な岩もありますよ。槍ヶ岳と槍岩(仮称)のコラボレーション。
高山植物の女王と言われるコマクサも咲き誇っております。お花音痴の私でもこれくらいは分かります。
燕岳の頂上。特別な看板が建っているわけでもありませんでしたが素朴な山頂がまたいいです。登った百名山も50を超えたので、もうこだわらずにお山を登ろうと決めています。なんでこんなにすばらしいお山が日本百名山に選ばれなかったのかが不思議。深田久弥の眼力はたいしたことはなかったということで。
本日のお宿に戻る道すがら、見上げるとライチョウがいました。なにやらバサバサやってますが砂浴びをしていたようです。
お散歩の迷惑にならないようにズームアップをすると親子連れでした。
先日紹介した大町山岳博物館の展示説明によると、このヒナの大きさは生後12日といったところ。一羽しかヒナを連れていないところをみると他のヒナは天敵にやられてしまったのかもしれませんね。自然界は過酷です。
興味津々なヒナがちょろちょろと先へ行ってしまうのでお母さんは心配でしょうがありません。ここいらあたりは上高地にいる猿が登ってくるのでけっこう危険なんですよね。
ヒナはテント場まで遊びに来ました。サービス満点なのはいいけども、さっさとお母さんの所へ帰りなさいよ。さんざん遊んでその後は茂みの中のお母さんと合流できました。めでたしめでたし。さてライチョウのヒナを見送ったら夕飯です。
棒ラーメンで夕食です。シナチク味玉入りで豪華にいきます。やっぱり山では棒ラーメンです。
日が暮れてきました。燕岳も雲の中に入ってお休みです。テントの中はソーラー照明を付けて快適な空間となります。コロナ禍ではテント泊が安全ですな。翌朝は早起きして夜明けを眺めます。
残念ながら雲が多くて日の出ははっきりしませんでした。飛騨山脈のモルゲンロートも見られず残念でしたが中央アルプス御嶽山や南アルプス北岳のシルエットがなかなかのものでしたよ。
この山登りではたくさんの非日常を貰って満足でありました。今年はまずはワクチンですね。オリンピックが先かワクチンが先かという状況ですが私あたりはずっと先のことだろうなぁ。それまでは世間様や家族に迷惑を掛けぬよう感染対策はぬかりなく行いたいと思っております。
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