しばしの別れ 丹沢山
神奈川県道70号線は丹沢山塊をホームグラウンドとする山のぼらーにとって重要な路線です。この狭くて細い林道のような道が丹沢を縦断し、いくつかの登山道踏み出しへのアプローチルートとなっています。しかし一昨年の台風19号の災害によって各所で寸断。先日2年の歳月を掛けてやっと全通となりました。でも工事はまだ完成ではなく橋の架け替え工事が残っているのだとか。行政に気を利かしていただき10月末までいったん全通した道路も11月からまた年度末まで閉められてしまう。宮ケ瀬湖まで抜けられないと登山帰りの風呂もままならない。ならば行くなら今でしょと丹沢山にしばしの別れを告げるべく挨拶に出掛けてきました。
上の画像は踏み出しに至る県道70号線菜の花台から見た夜明けの風情。湘南海岸や江の島が見えてなかなかいい感じでした。
塩水橋の林道始点から踏み出します。この日は有害鳥獣捕獲が実施されていたようで遠くから鉄砲の音が聞こえていました。猟期は11月15日からなのですがご苦労様なことです。鹿は捕れたかな。
今回はいつもは帰路に使う天王寺尾根を行きに使ってみます。尾根歩きが気持ちいい。画像のように尾根の頂部から原生林のブナの木と植林した杉とがきれいに分かれていて面白い。日当たりの良い南斜面では杉がすくすくと育っています。
標高1000mを超えるとモミジが色付いてきていました。麓まで紅葉前線が降りてくるのにはもう少し掛かりそうですがいい感じで季節は進んできているようです。
天王寺尾根を越え、開けた痩せ尾根に取り付くと人気のお山大山が見えています。今日は天気のいい週末なのであそこも多くの登山者で賑わっていることでしょう。
山頂直下標高1500mあたりではブナの木の色付きも見頃となっていました。原生林の紅葉は自然感がなんだか違うように感じますね。
山頂に到着。狙った通りのきれいな富士山が見えています。丹沢山の山頂から富士山が拝められるのは確率1/3くらいですので貴重な機会です。
雪帽子は富士山の黄金比に近い感じで見ごたえがあります。宝永火口にある宝永山の頂部あたりまで雪帽子の裾が来ていますのでだいたい境目は標高2700mあたりってところ。このまま根雪になりそうです。今月初頭には雪のゆの字も無かったですがここ数週間で一気に富士山の季節は進みましたね。画像の富士山左側が南斜面、右側が北斜面になります。やはり富士吉田側の北斜面は雪のすそ野がさらに下がっているようですね
さて富士山を堪能したら次はメシです。日帰り登山にはお手軽な水筒のお湯でのカップ麺。晴れていても山頂の気温は一桁台ですので、この時期は暖かいものがやっぱり嬉しいもの。今日は初めてお試しの100均で求めたマルちゃんのQTTAわさび&ビーフ味。
あえて言います。これ山にいいです。まずお湯の量が400cc未満で済むので具合がいいところへもってきてカップの構造が二重になっていて空気層があり3分間の調理中に冷めにくい構造になっている。なんだかキワモノみたいなビーフとワサビの取り合わせだけどこれが意外にうまい。肉塊やポテト等もたっぷり入っていてスープはとろみがある。麺がカップうどん並みに太くてよくお湯を吸うのでスープまでの完食が容易。
日進 カップヌードルなどよりは安価に売られているのでどうぞ試してみてください。同じく100均で買った調理済みおでん種も付けて豪華な昼食です。ゆで卵だけあれば良かったのだけれどいっぱい入って100円ならいいかと。山でボイルするのは水と燃料と時間の無駄なのでそのままいただきます。
帰路はQTTAに敬意を表してワサビ沢経由塩水林道で塩水橋踏み出しへ。知る人ぞ知るショートカットコースですが、ワサビ沢出合いに掛かっていた橋も台風で流出してしまっていて沢に降りて巻かねばならないのですが、ここを使うとだいぶ時間が違うんですよね。
延長13Km標高差1100mのいい山登りでした。
下山したら宮ケ瀬湖へ抜け2年ぶりに清川村村営別所の湯へ寄りました。ここは温泉でもない井戸水で風呂も小さく値段もそう安くもなく、役場がやっているのでなにかと決めごとが多いというあまりいいところのないお風呂屋さん。でも塩水橋から登った後の汗流しには絶好のロケーションにある。ここともしばしのお別れとなります。
明日から11月。秋も深まって師走へと進んでいきます。
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