雨山とユーシンロッジ
11月になって丹沢のヒルも落ち着いてきただろうと思って歩いてみました。今回は寄(やどりき)大橋から踏み出して未踏だった雨山登山道を登り雨山へ、その足で久しぶりにユーシンロッジの様子を見るという流れ。累積標高差900m、距離にして16Km程度のそこそこの行程になります。中津川の上流域である寄沢の朝は空気が澄んでおりました。
一昨年の台風19号では丹沢あたりでもかなりのダメージを負っています。ここかしこで崩れた登山道を巻きながら進みます。補修はマイナーな登山道までまったく手が回っていない状況。登山者はその辺を理解して今後しばらくは細心の注意が必要になることでしょう。
釜場平のベンチです。ここはシーズン中はヤマビルの巣窟みたいな場所になり、ベンチの上に足を載せていないとてきめんにやられるという有名な場所。さすがに11月は寄ってくるヒルもいませんでした。
雨山峠が近づいてくると登山道は小さな沢を遡上するような感じになってきます。ひと雨降ったらここは通れないなというような登山道、なかなかリスキーで楽しい感じです。
雨山峠を越えると富士山がほんのちょっとだけ顔を出します。う~む、雪のかぶり方は黄金比でいい感じですね。絵に描いたような富士山とはこのことです。もうちょっと見えるといいのですがここからはこれが限界でした。
雨山峠から標高差で200mほど登ると標高1176m雨山の山頂です。なんてことのない山頂ですが伊豆大島が見えておりましたよ。富士山側は木々がうっそうとしていてアウト。ときに雨山峠から雨山の山頂へ向かうルートは現状とっても不明瞭で特に下山時には要注意です。私も下山時に危うく沢下に向かってしまうところでした。
一旦雨山峠へ降りそこから玄倉川へ向かう登山道へ入ります。ここもあちこち崩落していてあまり人も通っていない感じ。丹沢のマイナールートはどこも玄人限定になってしまったかのようです。玄倉林道へ抜けるとこんな看板がありました。玄倉林道もダメージを負って通行止めのようです。通行止め区間の中にはユーシンブルーで有名な玄倉ダムと発電所が入っている。もともと一般車通行止めの区間であるけれども保守関係者の通行のために修理は必要なのでしょうね。
これがユーシン渓谷のユーシンブルーです。なぜこんな美しいエメラルドグリーンに水面が変化するのかはわかりませんが、玄倉ダム上流のほんの一部だけこんな色の水面が見られるのですよ。ここも来年4月までおあずけです。
ユーシンロッジに向かう側の玄倉林道のダメージは半端ないです。上の画像は幅4mほどの石積みの堰が土石流でそっくり流されてしまった状況です。おかげでその上に載っていた林道も無くなってしまい寸断されてしまっています。ここからの上流域には営業休止中(無人)のユーシンロッジくらいしかないので多分補修に手が回るのはずっと先でしょう。いやこのまま放置して通行止めになるのかもしれませんね。
林道も一部はこんな様子です。道路の真ん中に側溝ができています。これでは車はおろか人さえ通るのに難儀してしまいますね。自然の猛威は容赦なく人工物に襲い掛かっているという状況を目の当たりにすると、人の存在の小ささを感じます。
ユーシンロッジ入り口に掛かる看板です。まだ残っていてくれていました。
ユーシンロッジです。神奈川県が運営する山小屋でしたが2007年5月に玄倉林道のトンネル閉鎖に伴って営業休止。以後ずっと閉鎖状態です。山小屋といってもけっこう規模は大きく、学校の登山教室などにも利用できる規模があって、かえって融通が利かなくなっているのでしょう。営業を再開するのは現状では難しいかな。山間に立つしゃれたロッジなのですがまったく残念です。
ロッジの一部は避難小屋として開放しています。ただ現状は電気もトイレも無く、このような山の廃屋のような建物に泊まるのはほんとの非常時以外は躊躇しますね。私でも怖いです。
ユーシンロッジは健在でした。形を変えてでも営業再開してもらいたいところですが、唯一のアクセスルートがあんな状況ではもうどうにもならないような気がします。誰もいないロッジを去る時に目に焼き付けておきました。記憶として留めておきたいと思います。
丹沢の秋も深まってきました。もうすぐ12月、雪の季節ももうすぐです。
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