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2022年6月10日 (金)

富士宝永山を極める 2022

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富士山を登ります
  
今回は未踏の地を行きます

気が早い関東地方は他の本州地方に先駆けて梅雨に突入しました。本格的な雨のシーズンを前に、富士山の行き残したところを歩いてみます。昨年10月に山頂を踏んで以来の富士山です。百名山登頂もハーフを超えたのでガツガツとピークハントばかり狙わずに最近はテーマ性を持った余裕のある山登りができるようになってきました。うむ、わたしも成長したもんだ。

富士山スカイラインから覗く富士山はこの時期としては雪が少なさそうです。昨シーズンの降雪は多かったようですがその後の好天で雪解けも早く、例年より早いペースで雪が無くなっているようです。これならば7月の富士山正規登山シーズンスタートは無事に迎えられることでしょう。

Mizugatsuka1早朝の水ヶ塚駐車場からはきれいな富士山が見えていますが、やっぱりここからの富士山は見栄えが悪い。あの稜線の横っ腹にぽっかりと空いた宝永火口は絵に描いた富士山とは似つかぬ様相ですがこれも富士山です。

Mizugatsuka2

今回は3つある宝永火口のうち見たことのない宝永第三火口を眺めてすべての宝永火口を極め、宝永山へ登頂したのちに大砂走を満喫してからやはり初めての幕岩を拝見して踏み出しへ戻るというもの。けっこう盛沢山だったりします。

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須山口は久しぶり。ここは富士山で言うと一合目にあたります。ここ水ヶ塚の標高と御殿場口新五合目の標高がほぼ同じという事実はこの際気にしないことにします。

Suyamaguchi_20220610113901

Buna

踏み始めはいい天気でした。ここの樹林帯はブナ林の風情がとっても良くて、自然の懐感が好きなところ。須山口登山道三合目から意識的に右に折れて宝永第三火口へ向かいます。普通に須山口を登っていると第三火口は見られません。

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少しガスってますがこれが宝永第三火口底です。3つある宝永火口の中でも一番小さかったので今では樹木が茂っています。もう宝永の大噴火から300年以上経ってますからね。小さいと言ってもけっこうなサイズ。火口のお鉢をめぐって最頂部まで行きます。

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上の画像が第三火口の全景です。25000分の1の地形図ではよくわかりますが、実際に見るとあまりそんな感じはしませんね。第二火口からはそれっぽくなってきます。

Houei2

第二火口と第三火口の縁に立つとその差が一層際立ちます。富士山噴火ハザードマップが関係自治体で用意されていますが、もし噴火が起こるとすれば都合よく山頂部から再噴火ということにはならず、宝永火口のように横っ腹から噴き出すことになるでしょう。そうすると富士山の形が根底から変わってしまうでしょうね。災害という意味でもビジュアル的にも起こってほしくないなと思います。

Houei11

馬の背へ戻り宝永第一火口へ下降します。ここが一番麓からよく見える火口です。周辺はそれらしい雰囲気を残しています。

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第一火口底にはベンチもありますね。ここから宝永山が良く見えます。火口の張り出したアゴみたいなものですが、ちゃんとしたお山の名前を持っているのですよ。

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砂礫ずるずるの登山道を登って宝永山まで来ました。馬の背の先端部には立派な方位盤のモニュメントが・・・

Houeisan2

なんと基礎部の地盤が流出して歪んでおりました。お山の形状は刻々と変わっていくのでこんなことにもなってしまうのでしょうね。修復するにもたいへんそうです。さて宝永山頂を極めたら帰りは大砂走です。

Oosuna

この大砂走、何度やっても面白いです。ざくざくと砂礫の急こう配をすっ飛んで走る爽快感はアスリートになった気分。GPSログをカシミールで読んで速度を計算させるとピークで11Km/h出ていました。私が良く行く公営ジムのトレッドミル(ランニングマシン)で私がセットするピーク速度設定が12キロですのでこりゃ早い。一歩3mだとか言われていますが、さすがにそこまでは伸びなくともいい感じで走れます。しかも転がり落ちていくので疲れないのがいい。標高差100mを2分足らずで降りれてしまうんですよ。

だいぶ以前に須走口の砂走で、調子に乗って前傾姿勢で走っていたら前のめりに転倒して砂だらけになったという経験から、砂走を走る時にはトム・クルーズ走り(直立し胸を張りだして大股走り)を心掛けております。

Past1

調子こいて走っていて二合八勺の曲り角を通り過ぎるとえらいことになる。目印はすでに使われいなさそうな白いブロック作りの小屋です。ガスも濃くなってきたので見落とすといけないと思いGPSをチェック。それらしい場所を見渡すもどう見てもそんなものはない。小屋は撤去されていたようです。こりゃ危なかった。須山口二合八勺という看板(御殿場口大砂走は昔は須山口下山道だった)ももちろん今はありません。まぁ無用な小屋だったということは分かりますが貴重なランドマークが無くなりましたね。
いつまでもあると思うな親とランドマーク

Fog

なんとか二合八勺の曲がり角をこなすといよいよガスが濃くなってきた。ここいらへんはもう地図上登山道表記が無いところなので好きなように歩きます。こんなときにはやはりスマホのGPSアプリはありがたい。地図上で自位置が分かるってのは何よりも代えがたいです。地形図を読みながら崖や深そうな枯れ沢をかわしてその後正規登山道へ合流すればいいのですかららくちんです。
最後のイベント幕岩に寄ります。

Makuiwa1Makuiwa2

幕岩って横断幕のように長い岩なのかと思っていたら全然予想が外れました。溶岩流に空いた穴ですね。天の岩戸のステージって感じもするしなにか宗教的な意味合いがあるのかなと思いきや、説明書きを読むと単なる珍しい自然現象だとのこと。

なかなか盛沢山の山歩きで久しぶりに一日よく歩きました(一部走った)。標高差1300m、平面距離16Km、行動時間8時間ってところ。これならお中道も再挑戦できるかも・・・などと欲をかいているわたくしではありました。

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