横岳は横で無かった話
梅雨入り前のこの時期、お山も空いていて山登りにはいいシーズンです。北アルプス、南アルプスはまだ雪が深いので八ヶ岳あたりならよかんべと未踏峰である横岳をテント泊で登ってみることにしました。
横岳に向かうテント泊を伴うルートにはふたつの選択肢がある。美濃戸登山口に車を置いて赤岳鉱泉か行者小屋でテン泊、桜台に車を置いてオーレン小屋でテン泊といういずれか。ただし美濃戸経由だと駐車料が2日で2000円だけど桜台はタダ。さらにみみっちいことを言うとテントの幕営料も美濃戸側のテン場だと500円高い。トータル2500円の差はボンビーハイカーにとってけっこう重いので桜台・オーレン小屋ルートで行く。タイトル画像のようにアヤメの先で八ヶ岳連峰の山々が朝日に輝いていた。さぁあそこへ行きますよ。
片道5Kmの細いダートの林道を延々と進んだ先に桜台の駐車場がある。私の車は車高の高いSUVなので難なくパスできたが普通の車高だと腹こすり必至な荒れた箇所がいくつかありましたよ。ちなみに桜台の駐車場は上・中・下の三か所があり上から順に埋まっていく。上と中は登山道取り付きまでさほど差はないが下の駐車場からだと取り付きから3km以上離れた場所になり片道1時間半も歩行時間が伸びる。よいこは早出してでも上か中を目指しましょう。
車を置いて踏み出すとここかしこに見られる苔むした情景が美しい。白樺やブナの原生林にはこんな風情が似合いますな。
夏沢鉱泉を抜け踏み出しから1時間半ほどでオーレン小屋に着きました。重たいテント装備もここまでで済むのはありがたい。チェックインを済ませて今夜の寝床を作ります。
このテン場は先着順ですのこを使えるのでありがたい。グラウンドシートを使わないで済むのはいいですね。以前に飯炊き修行のためにここを訪れた際と同じ日当たりの良さそうなところをゲット。まだ本格シーズン前なので空いてます。
さてサブザックにて背中を軽くして横岳へ向かいます。まずは硫黄岳へ登らないといけないのですが標高2600mあたりにある森林限界へ出るまでの登山道は雪で埋まっております。アイゼンはいりませんが踏み抜きがひどくてけっこう気を使う。ザクザクと雪を蹴っての登山もこの時期ならではの楽しみでもありますがね。
雪の稜線から尾根へ出ると一気に雪が消えていい景色が飛び込んできます。赤岩の頭っていう小ピークに立つと硫黄岳がよく見えます。こちらは西側にあたるので爆裂火口とは反対になり山様がきれいですね。まずは経由地である硫黄岳へ。
硫黄岳の山頂は2度目ですがだだっぴろい。看板があるしみんなここが山頂だと満足して帰ってしまうのですが、ほんとの山頂は爆裂火口の先端部にあります。今回は行ってみましょう。
なんと途中で通行止めになってました。あまり崖っぷちまで覗きに行くと危ないからでしょうかね。残念です。
さて横岳です。硫黄岳からだとよく見えます。横岳って言うのだから横に長い山頂を持つ優しいお山だとずっと思っていました。対向するハイカーさんに聞いてみるとあの尖ったピークが横岳だとのこと。こりゃアテが外れた。見えてはいるけどけっこう遠そうです。
山頂直下は鎖場、梯子場のオンパレード。こりゃ横岳じゃなくて縦岳ですよ。苦労して山頂へ。
見晴らしの良い山頂です。ただ、後で地形図をよく見ると、横岳はピークが3つあるトリプルピークのお山だったようです。
いまさら分かっても後の祭り。まぁ一番高いピークだけは踏みましたので登頂ということにさせてください。主目的が達せられたので速攻で戻ってメシにします。オーレン小屋から行きで4時間弱、戻りが2時間弱でした。飯が待っていると歩みも早くなります。
前回はメスティンで米メシにしましたが、今回はいつもの棒ラーメンに回帰。立派な山メシを作る方もいらっしゃいますが私なんぞはこれで十分。カミさんから分けてもらった乾燥ワカメがトッピングです。ともかくさっさと作って食べて温まって片付けられるのがいい。お隣テントの初老ご夫婦はカップラーメンで済ましていたけどそれでも山ではごちそうです。でもちょっとだけ小細工を利かすと少しの満足感も得られる。こんなのが小細工と言えればですが・・・
標高2300mのテント場の夜はこの時期でも氷点下になる。ダウンシュラフで暖かくしてお休みします。翌日は天気もあまり良くなかったので近所の峰の松目っていうお山に登って帰ることにしました。ガスっているということもありますが眺望も無い山頂でした。それでも標高で2500m以上はあるんですけどね。
背中は重いけどやっぱりテントはいいですね。コロナ禍ということもあってテン泊デビューする方も多いのだそうです。そのせいかお山でのテント場利用料が高騰中。この辺は需要と供給の経済原則かな。
わたくしもコストを睨みながらもテント担いでお山に向かいたいと思っております。
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