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2022年7月21日 (木)

御嶽山ふたたび

Nakanoyu
3年の時を経て
  
念願の頂へ向かいます

御岳山は数奇な運命を背負ったお山です。ご存じの通り2014年に大噴火をして多くの方がお亡くなりになり登山道は長らく閉じておりました。火山活動も落ち着き2019年7月より山頂剣ヶ峰までのルートが開きましたが、火山性地震や微動の状況を見ながら気象庁が噴火警戒レベルを変えるために先月6月末までは山頂へのルートは再び閉じておりました。いつまた登山道が閉鎖するかわからない状況でもあり、登れるときに登っておこうということで戻り梅雨のような天気の中行ってまいりました。

前回の御嶽山登山は山頂までの登山道再開前の2019年6月でした。まだ残雪も多く小屋も開いていない状況でしたが山頂直下の九合目にあった通行止めの看板を見て帰ってきました。今回は山頂剣ヶ峰を目指します。
前回と同じく中の湯の駐車場に車を置いて日帰りピストンします。前日は土砂降りでしたが早朝の朝焼けがきれい。なんとか天気はもってもらいたいものです。御嶽山ロープウェイを使うと標高差で300m、平面距離で1Kmほど楽ができますが2600円をケチる私はしみったれ。

Mokudou_20220721224901

黒沢登山道をもくもくと登ります。木段が前日の雨で滑って危なっかしい。朝日が心地よいですが好天はこの踏み出しの時のみ。この先はほとんど霧と強風の中でした。富士山と同じような独立峰の御嶽山は気象条件が厳しい。でも先日の北アルプスであれだけ悩まされた虫のたぐいが全然いなくてこれはありがたかったです。

Hachigou_20220721224901 Kusa

八合目女人堂まではハイキングコース、帽子をヘルメットに替えてここから登山らしくなってきます。斜面には火砕流で炭化した低木やセメントのように固まった火山灰がまだ残っています。でも新しい緑の芽吹きもあり、自然の再生機能は働いているように見えました。

Bunki_20220721224901

九合目を過ぎ前回苦渋のUターンをした二ノ池へ折れる分岐に着きました。今回は堂々と直進します。ただ風が強い。山頂へ向かう吹き曝しの馬の背は強風が吹いていました。耐風姿勢を取らないと持っていかれそうな風。霧も濃くて周囲を眺める余裕もありません。

Sancho1_20220721224901

踏み出しから3時間半で山頂へ。剣ヶ峰には慰霊碑やシェルターが作られていました。御嶽山は活火山であることを思い知らされます。階段を上って山頂鳥居をくぐり参拝します。

Sancho2_20220721233501

山頂で写真を撮っていたら日頃の行いの成果が出ました。強風は相変わらずですが霧がさくっと切れたんです。これには驚いた。あまり天気はもちそうにないので急いで周辺をまぶたに焼き付けました。

Sancho3

山頂神社社務所にもシェルターがあります。

Shelter

山頂から一段下がったところにあるシェルターはコンクリート製の立派なものでした。当初からこれがあればいくらかの命は救えたかもしれませんがそう都合よい話ばかりではないのが世の常。

Outakichojyo

見下ろす先には王滝頂上が見えます。ただし画像手前側に写る登山道は地獄谷に面しているためか通行止めとなっていますね。ここからはまったく見えませんが地獄谷では現在でも噴気が上がっているとのこと。火山は生きています。

Ninoike

一礼をして剣ヶ峰山頂を失礼するとガスの中から二ノ池が顔を出しましたよ。3年前にはお世話になりました。あまり池っぽくないですが、日本で一番高所にある池なんだそうです。この後数分と経たずに周辺は霧の中に再度没してしまいましたからほんとうにラッキーだったと思います。

御岳山は3000m峰ではありますが中の湯からだと標高差1200m、平面距離10Km程度の山登りになります。ロープウェイを使えばもっと楽ができる。人気のほどがうかがえますね。8年前のあの日、登山から帰ってこれなかった方々が60余名にもなりました。私は無事に帰れたことに感謝しつつ安全登山の思いを新たにしたのでありました。

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