上高地から西穂独標
関東地方は連日うだるような暑さ。余裕の有るひとは避暑に出掛けるのですが、余裕のないひとでも高いところへ登れば涼しいのではという単純な発想を持って北アルプスは穂高連峰の西端、西穂高岳をテント泊で目指してみます。北穂、奥穂はすでに登っていますが穂高連峰は日本を代表する急峻な山々。なかなか全部をって訳にもいきませんが今回は貴重なチャンスです。
朝一番の上高地行きシャトルバスを帝国ホテル前で降ります。インペリアルホテルなんていい響きです。いつかはわたくしも・・・と夢見て登山道入り口へ向かいます。登山道踏み出しには立派なゲートがある。張り紙によると噴火警戒レベルが2にアップされた関係でご近所の焼岳は登山禁止となっているようですね。焼岳は山頂付近で腰を降ろすとお尻がぬくぬくしてくるという面白いお山でした。
木陰が気持ちの良い登山道が続きます。ただ朝だというのに暑い。標高1500mの上高地からさらに上っているのに空気が下界より熱いんですよ。どうも上高地は梓川の気化熱でひんやりとしているのかも。さすが避暑地は違います。テントを張る西穂高山荘まで標高差1200mをまずは登ります。
テント場に至る道中で唯一の水場である宝水で水を汲みます。ほんとに細い湧き水ですがまさにお宝のお水。西穂高山荘では水は有料で1リットルで200円が掛かる。貧乏くさく水を汲むのではなく元祖北アルプスの天然水狙いだとやせ我慢。飲んでみると確かに北アルプスの味がする。ここから先の道中は背中が1Kg重くなったのでけっこうこたえます。
きぬがさの池近くの登山道ではキヌガサソウが可憐なお花を咲かせていました。高山植物のお花としては大輪で人気のあるお花なんだそうですね。
踏み出しから4時間掛けて西穂高山荘へ到着、さっそく本日のお宿を作ります。西穂高インペリアルテント。すいません言ってみたかっただけです。ここは小屋のすぐ横にテント場がありなにかと便利。ただコバエのような羽虫が多くてテントや人にたかってくる。夏のお山では仕方ないところでもあるのだが今年はやけに多い。おかげで食事を作るにも食べるにもすべてテントの中で済ますことになったのは残念なところ。
さて寝床が出来たら西穂高へと向かいます。
ノコギリの歯のように連なる峰々をいくつも登っては降りを繰り返しやっと前方に西穂高岳独標が見えてきた。さすがの北アルプス。上高地から登ってきた身としてはけっこうしんどいがもうひとがんばり。
西穂高岳独標です。西穂山荘から西穂高岳までには急峻な11の峰々があるのですがここには名前が付いています。独標とは「独立標高点」の意で、地図を作るために測量した場所を言うのだそうだ。しかしここも羽虫がすごい。何枚か撮った画像の半分くらいに虫が映り込んでいます。顔にまとわりついてきてサングラスの内側にまで入ってくるので始末が悪い。今年は虫の当たり年です。
独標の先、西穂高岳方面はガスがひどい。あの急峻な峰々をまだあと3つ4つ超えないと到達できない。虫もひどい・・・ということで今回はサクッと西穂は諦めて独標で我慢することにしました。独標から西穂高岳までの山とl高原地図評定時間は往復3時間以上。こりゃ無理だわ。
標高2360mテント場の夜は気温ひとけた台まで下がっていい感じに冷えました。今回の道中で一番快適だったのがテント内の夜だったとはちょっと皮肉です。朝は焼岳がきれいに見えていました。噴火警戒レベル2だそうですが噴煙は派手には上がってはいないようですね。
気温が上がらないうちにさっさと下山します。登山道を下山途中に見慣れぬものが。朝つゆに輝くキノコがまたいい感じでした。
梓川流域の上高地まで降りてくるとやっぱり涼しい。木陰の登山道より日なたの梓川沿いの方が涼しいんです。きれいな景色がバイアスになりますね。西穂、前穂はまたのお楽しみということで。
今回参ったのは羽虫の多さ。例年でも夏場は確かに多いのですが3000m近くでこれは尋常ではないなと感じます。テント泊は秋まで封印かな。避暑地の空気を肌に焼き付けて帰ってまいりました。
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