« ぐんまちゃん in ロックハート城 | トップページ | 上高地から西穂独標 »

2022年7月 9日 (土)

安倍元総理銃撃に思う

ちょっと思うところがあり
  
書いてみます

すでにご存じない方もいないと思うが7月8日にあっと驚くニュースが飛び込んできた。既報道事実を並べるようなくどいことはしないが、世界一安全と言われる日本で起こった元職の総理大臣に対する銃撃事件ということで誰もが驚いたことだろう。元総理のご冥福を心よりお祈りしたい。

当初のニュースでは散弾銃が使われたと報じられていた。銃撃という事実のインパクトも強烈だったが、後の報道で自作の銃器が使われたと聞きさらに驚いたのだった。

手作り鉄砲は銃身長40cmほど。ニュース映像で見る限り呼び径25mmの亜鉛メッキ鋼管(通称ガス管)の一方にキャップをねじ込んで尾栓とし、それを水平二連銃のように並べてガムテープで巻いて木台に固定したものに見える。火薬爆発の内圧に耐えうるような厚鋼のパイプが必要だ。装填は先込めのようで2発以上の連射には向かない構造。だが犯人も2発以上を撃つつもりもなかっただろう。

鉄パイプの内側にライフルを切るような加工はとても常人には出来ないだろうから平筒(ライフルを銃身内加工していない)は間違いないところ。その意味では当初の報道の散弾銃という表現はまったく外れではない。でも2発発射された弾の犠牲者となったのは安倍元総理おひとり。一般的な競技用散弾を例にすると、7.5号散弾で300個、9号散弾で500個の鉛の粒を発射後にばら撒くのでこれが発射されたら周辺に影響は必至。一発弾もしくは少ない数個の弾頭だったのではと推測する。

また実際に市販の実弾が使用されたのではないと思う。一発目の発射の際に豪快に発射煙が発生しているようだが、通常の実包に使われるのは雷管(プライマー)と共に主火薬は遅発性の無煙火薬が用いられる。私の散弾銃で散弾を発射しても目の前が見えなくなるような煙が出ることはない。どんな火薬を使ったのかは現時点では不明だが、公式な火薬類譲渡については実弾購入と同じように高いハードルがあり難しい。犯人がどのようにして火薬を入手したのか解明が待たれる。

また点火装置は一般銃器のようにハンマーで雷管を打撃するタイプでは無く、電池を使った電気点火(電気雷管)だろう。間を置かず2発の発射を完了しているほど速射性に富んでおり、銃器の基本を知る決してアマチュアではない者の作であることが分かる。

今回一番疑問だったのはなぜ当たったのだろうかという点。発砲後にもし当たらなければ犯人は即座にSPにて取り押さえられ、それで終わったはずである。

犯人が銃を発射した地点から元総理が演説しているお立ち台まで軽く10m程の距離があったと推察される。しかも犯人は照星(照準を合わせるマーク)を使って照準を定めたわけでもなく腰撃ちと呼ばれる最も弾筋が定まらない撃ち方で撃っている。経験的に申し上げればこの撃ち方では300個の鉛玉が入った散弾でも当てるのは難しい。反動もすごかったようだ。
鉄砲は銃身長わずか40cmの自作平筒、アメリカのギャングなどが可搬性のために散弾銃の銃身をカットするような例はあるようだが、弾の直進性を考えたら短すぎる銃身長だ。しかも自作弾。いったい弾がどこへ飛んでいくのかまったく予測ができないような物理的な悪条件を重ねた状況下で、犯人は初弾を元総理の首筋へ、次弾を心臓へ当てている。これは犯人が事前に入念な射撃練習を行って弾道を考慮し命中精度を高めたなどというものではなく、元総理にとって確率的に最大の不運がその時に起こってしまったとは言えまいか。

まだ解明されていない部分も多く、発生事実以外の報道は現時点では限定的だ。過去の報道が修正される可能性もある。しかしながら凶行により一国の元総理大臣が亡くなっているわけであり、その行為は断固糾弾されなければならない。犯行動機と共に詳細の解明が待たれるところではあります。

« ぐんまちゃん in ロックハート城 | トップページ | 上高地から西穂独標 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ぐんまちゃん in ロックハート城 | トップページ | 上高地から西穂独標 »