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2023年2月16日 (木)

D52 70とD52 72 (動画付き)

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動態保存されている機関車
  
その動きに感動しました

神奈川県の山北町にD52型の蒸気機関車が展示保存されている。それだけならそう珍しくも無いのですが、なんとこの機関車は月に一度動くのだと言う。どんなものなのか興味もあり運転日に参上しました。

このD52 70号機は電化前の御殿場線を走っていたもの。1968年の電化完成後に除籍。今では山北鉄道公園に展示されている。ただこの機関車は動く。動くとは言ってもボイラーを焚いて蒸気を上げて動くのではなく圧搾空気のコンプレッサーを積みこれを動力として動くのだそうだ。蒸気の代わりに空気を使うと言っても動力伝達系の各種部品は完璧に動く状態になっていなければならない。しかも日本最大級のサイズとなるD52型だ。どんな状態なのかもとても興味が有ったのであります。

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屋根付きの展示スペースに鎮座しているD52 70号機は火を入れれば今にも走り出しそうな手入れの行き届いた機体だった。動輪のコンロッドや逆転機などは磨き上げられ、まんべんなく注油が施されている。ボディには錆ひとつなく黒光りしている。現場にいた保存会の方にお話を伺うと定期的なメインテナンスを常に行っているとのこと。静態保存されている展示機関車には朽ち果てるに任せているようなものもある中、関係各位の熱意を強く感じました。

Comps

炭水車には石炭の代わりに大型のエンジンコンプレッサー2基を積んである。なかなか考えられたシステムであります。

Kiteki

汽笛も鳴らせられるようだが結構な音量となるのでご近所様に配慮して年に数回の記念運転の時だけに絞られているのだそうだ。今回は無しだそうで残念。

Cab

キャブもきれいに整備されていた。動くのはレールの延長15m程度で動輪3回転分を前後するだけだが、わずかにそれだけ動かすだけでも圧力を加減しブレーキをかけ逆転機ハンドルをぐるぐると回さなければならない。動かす方も大変だ。
デモ運転の動画を撮ってみた。蒸気の迫力はありませんがしっかり動くのには感心しました。

ちょっと天気が悪くて小雨模様のなかでデモ運転が始まりました。逆転機を正転にセットし前進しますが雨で空転しています。動輪軸重を目いっぱい軽くしているのでしょうね。コンロッドの動きがメカっぽくて美しい。一回のデモ運転で10数回行ったり来たりしてくれます。たまに動かさないと油も回りませんからね。
僅かな距離とはいえ実際にレール上を動く大型蒸気機関車を見られたのも久しぶりで高揚しました。保存会の方々に感謝。実はもう一機D52 72号機がご近所の御殿場駅前に居ると言う。ものはついでと拝見します。

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実は72号機はわたくしが幼少の頃に国府津で会っている。御殿場線電化後に国府津機関区もその役目を終え廃止になったが扇型庫だけが一時期残り、その中に除籍となった72号機が忘れられたかのように残されていたのです。アルバムに残っていた白黒写真がそれ。

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もう当時の記憶は定かではないが火の落ちた釜は子供心にももの悲しい感じがしたのではないだろうか。

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御殿場駅前に72号機はいた。こちらは純粋な静態保存機。ペンキは塗ってあるが露天のため見るからに痛みが激しい。

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70号機と比べるとそのギャップが著しいですね。大型蒸気機関車は展示して維持するだけでも大変なのでしょう。D52型は全国で5台が残っているという。貴重な1台ではあります。

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両機ともに昭和19年の生まれ。もう80歳近い。激動の昭和期を走り抜いた蒸気機関車。私がそんな歳になる頃にはこの世の中はどうなっているのだろうか・・・などと感慨にふけってみたりします。ノスタルジーに浸った一日でした。

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