« 食用カラス その2 | トップページ | 山の産業用モノレール »

2023年3月14日 (火)

チャンプもいる塔ノ岳

Sign-board
札掛から新大日経由で塔ノ岳
  
想いも新たな山行でした

3月も半ば。思う所もあり私のホームグラウンドである神奈川県は丹沢界隈へ出掛けてみました。今回は札掛から表尾根の新大日を経由して塔ノ岳を目指す初めてのルート。標高差1050m延長16Kmを超えるというそこそこの山行となります。

Gps_log_20230315114201

札掛に車を置いて踏み出します。登山道取付は以下の画像のところ。上級者向けという沢沿いのコースと長尾尾根を行く一般向けコースに分かれる。低級者のわたくしは尾根沿いに行き、帰りは沢沿いに戻ってこようと考えました。

Torituki_20230315114501

登山道沿いに妙なお花が咲いています。

Mitsumata

ミツマタだそうです。森の妖精と呼ばれていると聞きますが確かに妙なお花です。三又どころか10や20はありそうですね。さらに進むとありがたくない看板が現れました。

Offlimit

登山道が崩落のため新しいルートを作ったようです。地形図を見るとこの通行止めのルートは尾根を巻くので高低差が無くて楽そう。でもここは初めての登山道なので素直に指示に従います。

Reroute

山越えのう回路を登って降りてきて既存登山道に合流すると崩落個所が見えました。こりゃ確かに一般登山者は通れないや。しかしその後オリジナル登山道に合流して安心したのか道迷い。とんでもない方向へ向かってしまいました。登山道の荒れ方がおかしいと感じてGPSアプリを見ると丹沢山へ登る天王寺尾根方向へ向かっていることが発覚。速攻でUターンしましたが早めに気が付いてよかったです。GPSを持っているのに道間違えするとはなさけないが、これが初めての登山道の怖さです(言い訳)。
長尾尾根を進み標高1200mを超えると見晴らしが良くなってきます。

Onenobori

眺望の利く尾根は歩いていても気持ちがいいですね。長い木段を登ると表尾根に合流して旧新大日小屋の前に出ます。

Dainichi1

なんと小屋はきれいに撤去されて更地になっていました。説明書きの看板がある。

Kanban_20230315122701

2009年までは営業をされていたとの説明がありますが、それよりずっと前から新大日小屋の前の登山道を幾度となく通っていても開いていたのを見た記憶がありません。2010年に行われた同じ表尾根にあった書策小屋の撤去では秦野市の主催行事である表丹沢クリーン大作戦の一環で実施されたと認識していますが、今回行政は動いてくれなかったようですね。2010年にその大作戦をお手伝いした当時、なんで新大日小屋はそのままなのかなと疑問に思っておりました。作業は今冬に行われたようで撤去に携わったボランティアの皆様にあってはご苦労様でした。

そんなことを考えつつ塔ノ岳山頂へ。

Sancho_202303151258013do

曇っていて眺望は無く気温は3度。お湯を沸かしてカップラーメンを作って食べていると丹沢の有名人チャンプこと畠山さんが歩荷を終えて大倉尾根へと向かっていかれました。

Champ

ご挨拶は交わせましたがゆっくりお話が出来なかったのが残念。彼はとっても気さくな方で、1年を通して山では短パン生足に長靴姿、両手を高々と上げてのVサインが彼のトレードマーク。登頂7千何百回と言われていた。まさにチャンプの名に恥じないが御年は当年70歳のはず。もう恐れ入ってしまいます。
丹沢を歩き始めてもう20年くらいになるが彼とは過去塔ノ岳で3回、丹沢山で1回しか遭遇していない。私にとって節目の年である今回お会いできたのは幸運だったと思う。彼の後姿を見送りながら、何事も続けるということの偉大さをその背中から強く受け取りました。

さてチャンプに元気を貰って帰り道は沢沿いの上級者向とやらの登山道を使います。

Advanced-class

長尾尾根の分かれ道に大きな注意看板が立っておりました。どれだけ大変なのかわくわくしますね。GPSログで分かるようにここも新しいルートに切り替わっているようです。

Keyakizawasen

30度から45度という傾斜の下りが沢まで続きますが最近設置されたとおぼしき真新しい道しるべが各所に有るのでさほどルート取りは難しくはありません。ただ急傾斜を下降するためつづら折れのジグザグ道が標高差400mに渡って延々と続くのには痺れました。その後は沢へ降り、数回の渡渉をしながら沢沿いに歩くと林道に合流する。それ以降は踏出までのんびりと周囲を眺めながら歩けました。あの看板はちょっとばかりフェイントだな。

撤去された新大日小屋の跡地を見てチャンプとお会いできるなど今回は思い出深い山行でした。私のような不完全人間は人生でまだやり残したことも多い。その歴史と役目を終えた山小屋と、歩み続けるチャンプの背中から受け取ったものを忘れずに・・・と思うわたくしでありました。

« 食用カラス その2 | トップページ | 山の産業用モノレール »

登山」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 食用カラス その2 | トップページ | 山の産業用モノレール »