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2023年3月17日 (金)

ELM327で車両診断する (電源改造含む)

Original_20230317195501
車両用の故障診断器です
  
目いっぱい怪しい商品でした

ELM327というのはELM Electronicsというカナダの会社が作った自動車のOBD2インターフェースを介して車両ECUとの通信を簡単に行えるICチップの名称ですが、今ではこのチップや共通のプロトコルを持つ互換チップを使った商品に広く名前が付けられています。これを車両側のODB2ポートに繋ぎスマホとリンクさせることにより車両のステータスやエラーコードを読むことができ、さらにはエラーのリセットもできると言う便利な代物。

ただしエンジンチェックランプが点灯するようなエラーが発生した際に不用意にエラーリセットまで掛けてしまうとECUのメモリーに履歴が残ってしまう (リセットを掛けてからの経過時間が記録される)。車屋さんへ泣きついたときに「お客さん、何かしたでしょと言われたりするのもいやなので、わたくし的にはエラー発生時にその種類(部位)を特定することを主目的とします。

さてトップ画像のような器具を入手しました。例によって中国発送ですが私が買った時の為替レートで送料込み560円。まぁ失敗しても惜しくない金額です。Windowsやandroidに対応したアプリケーションが入った8cmCDが付いてきますが、この中身のソフトはセキュリティ的に猛烈に怪しいとの評判なので手を付けないことにします。

この商品はODB2コネクタの16番ピンに来ている車両側常時電源からユニットの電源を取っている。つまりODB2ポートにに刺したら電源が入りっぱなしになり刺しっぱなしのままだと暗電流が心配なところ。さらに車両ECUの起動前にODB2に通電済みの怪しげな機器が繋がっていた場合、タイミングの問題でエンジンチェックランプ点灯の原因になったりすることが知られている。エラーを読む機械がエラーの原因になってしまったらそれこそ本末転倒。なので電源は車両のアクセサリー(ACC)電源やイグニッション(IG)電源から取るように事前に改造しておくのが吉と言われている。それもあって改造しやすい筐体のモデルを選んでおいたりするんですな。

Noscrew

さっそく本体をばらしませうということで隠しねじを晒すべくラベルを剥がす。だがない・・・有るはずのケースを締め込んでいるビスが無いのです。この段階で互換品のハズレを引いたなとモチベーションが30%ダウンした。でも失敗しても失うのは560円なので臆せず殻割りを続行します。

Karawari2

精密ドライバーを使い蓋を開けます。スカスカで中身がありませんなぁ。これでさらにモチベーション20%ダウン。ケースにはLEDの穴が5個開いていたがLED基盤には3個しか載っていない。しかもかなり穴からずれている。さすがの中華クォリティです。
まぁ基盤が小さくなったのは集積度が上がったからだと善意に解釈しよう。

Jumper_20230317195601

残ったモチベーションでいじくります。最近のスバル車の特徴でベンダーオプションとしてODB2コネクターの8番ピンにIG電源が来ている。これは地味にありがたい。私のXVでも事前にテスターで確認済みなので間違いのないところ。この診断器内部で配線にてODB2コネクタピンに行っているのなら配線接続をし直してやれば簡単なのだが、こやつはピンが直接基盤に半田付けしてあるのでそうもいかない。
そこで考えました。まず基盤から突き出ている16番ピンと8番ピンをジャンパーで半田付けして繋ぎます。8番ピンは基盤から微妙に浮いているので半田を盛り過ぎるとベタGNDにショートするため注意。
次に常時電源の16番ピンに物理的加工を施します。加工っていうか・・・

Pinremoved

上画像のようにコネクタ内の16番ピンを根元からむしり取ります。これでなんとか常時電源は繋がらず8番ピンのIG電源から電源供給されるように改造ができました。Fiby流のやっつけ仕事的な感じではありますが・・・

Led

迷ったのですがケースに戻す気も無いしどうせLEDなんて見やしねぇやと半田を吸い取ってLED基盤も撤去しました。ついでにジャンパー線も少し短く修正。おかげで裸ですが非常にコンパクトな姿になりました。メインボードを眺めるとICチップはWiFi、電源、コンパレータの3個だけ。肝心のLM327互換チップは背面に隠してあるようですね。プリントパターンを読むと他機種に流用できるようにチップLED用の空ランドが3か所用意されていました。中華製品の常で、外見は違えど中身は一緒みたいな例の典型ですな。
さてうまく動くかWiFiでスマホに繋いでモニターしてみましょう。アプリはとりあえずDashCommandってのを入れてみました。

Page1

WiFi接続まですんごく時間が掛かったので改造を失敗したかと青くなりましたが接続時に出たメッセージによると課金前のバージョンは接続に30秒掛かるよとのこと。意図的にディレイを掛けているようです。意地悪なアプリだ。

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車両の色々なデータが読み取れます。ただ私はユピテルのレーダー探知機をODB2接続してそれらをすでに表示させているのであまり興味は無い。

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必要なのはこれ。ダイアグ画面です。エンジン関係のエラーコードは当然ながら現時点では無いようです。準備された他のモニター機能を見るためには課金してねとのメッセージが。いくらなんだと当たると9ドル99だと。たけぇよ。別のアプリを探してこやつは速攻削除することを決意。
ハードウェアとしてはこのELM327互換機はとりあえず価格分くらいは働いてくれているようです。エンジンチェックランプが点灯した時のお守りとしてグローブボックスに突っ込んでおこうと思います。

追記:以下のスクショのCar Scannerっていうアプリが未課金状態でも機能豊富で接続レスポンスも良さそうです。未課金だとある日突然制限が掛かるらしいですが、それまではこれで行こうかと思います。

Scanner

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