今度は自衛隊で事件が
北海道で銃砲所持許可者が行った凶行の報道が冷めやらぬ間に、今度は陸上自衛隊の射撃訓練において在ってはならない事件が起きました。恨みを持った指導教官に対して小銃を発砲すると言うあまりに短絡的な出来事。不幸にして殉職された2名の現職自衛官の無念さは察して余りあります。
上の画像は事件があった岐阜の射撃場と同様の施設で三浦半島中部にある陸上自衛隊の射撃場でのシーンです。全国にはこのような施設が30ほどあるらしい。300mレンジを持ち完全覆道式であるこの射撃場は、高い防音性や跳弾などの安全性に配慮された立派な施設。自衛隊で使っていない時には民間に貸してくれないかなと真剣に思ったものです。
ずらりと射撃場の銃架に並ぶライフルは木銃床の64式小銃でした。この画像撮影当時でもすでに一線部隊の89式小銃への置き換えは進んでいて、教育隊や防大/工科学校の学生さんたちなど二線級の方々にのみ64式は使われていました。今では後方部隊でも5.56mmの89式に置き換わっていると聞きます。事件に使われた小銃も89式でした。
射撃後の洗矢によるお掃除も欠かせません。車両にある部隊マーキングから彼らは陸上自衛隊高等工科学校の学生さん達と思われます。学校教育法で定める高等学校と同じく3年の修業年数を持つ自衛隊の専門学校ですが2学年時より実弾射撃訓練が有るとか。16~17歳からライフルを撃つのが自衛隊の学校です。
全ての自衛官の方々は正しく銃器を取り扱っていることには疑いの余地はありません。先日起こった猟銃使用事件と同じく本件はあまりに常軌を逸した事件でした。
ガンダムのアムロが親父にもぶたれたことないのにと上官に言い返す台詞は有名ですが、自衛隊と言う特殊で閉じられた組織内での教育的指導に対して受け入れることが困難な体質の者も自衛官候補生の中にいたのかもしれません。
こんな事件が起こるとフランシス・コッポラ監督の映画フルメタルジャケットを思い出します。米海兵隊の新兵教育施設で下士官の鬼指導教官からしごき抜かれた新兵が、部隊配属前夜に指導教官をライフルで射殺し自らも自死するというのがストーリーの半分だった。今回容疑者となる18歳の少年がどれだけしごかれて指導教官に殺意を抱いてしまったのかはわかりませんが、程度の差こそあれその映画ストーリーをなぞっているのがある意味恐ろしい。唯一映画と異なるのは容疑者本人が生きているということ。事件の全容を明らかにし後世へ繋げるためにも大切な部分です。
国を守る自衛官への評価をこの一件のみでするべきではないのは勿論です。正しい認識のために続報に注視しております。
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