怪しげでも使える電動ドライバー
DIYerにとって電動ツールは省力化の決め手。ところが先日長年使った充電式電動ドリル/ドライバーが逝ってしまいしばらくは音なしの構え。そんな中で仕事がシフト制になり自由になる時間が増えてくると工作の虫がまたうずいてくるんですな。やはり道具が無いと始まらない。というわけでお小遣いでも手に入るものを物色しようと考えました。
アマゾンでタイムセール2940円にて手に入れたのはこの商品。この種の電動ドライバーは大別すると3.6Vのボールグリップ(ストレート)タイプと10.8V以上のピストルグリップタイプに分かれると思う。3mm~4mmのビス締めには前者が圧倒的に便利だがトルクが小さいのでコーススレッドやドリル用途には向かない。後者はドリルや木ネジもいけるが小さいビスやネジを扱うとなると重くて作業性が悪い。7.2V, 550rpm, 15Nm, 710gの本製品は立ち位置的にその中間を狙ったものと言えそうだ。汎用性が高いと感じるか中途半端ととらえるかはユーザー次第。
製品は外装の仕上がりも荒くビジュアル的には価格相応の質感だが道具と考えれば許せるか。製造元はアイリスオーヤマの電動工具をOEMで作っている会社と同一のようでそこそこのQCはなされているものと思う。
その昔にパナソニックが特許を取得したものと同様のトルクリミッターが付いている。最近のブランド品にあるモーター負荷電流を検出して回転停止するものとは異なり空回りをする機械式だが、精度は悪いもののリミッターの段階制御は一応できることは確認できた。
回転数制御は商品ページの説明に無段変速との記載があるがこれは誤り。回転数はトリガースイッチのポジションに依る10段階のステップ制御になり無段階ではない。タイマーとMOS-FETのドライブ回路でDCモーターをPWM制御しているようだが、10段もあれば速度可変としては上等とは言うものの販売元が商品説明にウソを書いてはいけない。
ブランド品のようにベクトルインバーターを積んでいれば低回転時でも潤沢なトルクが出るのだけれどこのクラスだとそうもいかない。10段階速度可変といっても流せる電流値に限度があり最小回転数(一段目)がけっこう高めになる。もう少し回転数が低ければネジ締めも楽なんですがね。
また付属品の充電アダプタ銘板には特定電気用品のPSEマークらしきものがプリントされてはいるがロゴデザインが微妙に異なっている。経済産業省からお借りしてきた正式なロゴマークは以下。
菱形は上下に少し潰れ"E"のフォントは"PS"に比べて小さくなるのが正規だけどACアダプタのそれはそれっぽく印刷しただけのように見える。その左側にはドイツの検査認証会社テュフズード社らしきロゴがあるがこれもまた微妙に違う。
正規にPSEマークを得るには検査費用だけで30万から50万円が掛かると言う。安価な中国製品ではよくある話だそうだが実際に検査機関で適合性検査を受けてPSEを申請し交付を受けているのかは疑問なところ。ちなみに申請する法人としてもPSEマークや輸入事業届け出がある日本に法人拠点がある会社でないといけないのだが、NINGBO XINYA TRADING Co., LTD.というACアダプタのラベルの社名ではググってもヒットしなかった。
チャックはスリーブロックタイプが付いている。ロックの無いマグネットチャックに比べれば上等だ。きっちりとしたキーレスチャックとは異なりこの手のチャックは6.35mmのインサート寸法マージンのためにビットを差した際にガタがあり、回転させると少しビット回転に歪みが出るのが普通。100均で買った電動ドライバーのガタはひどかった。ここの精度がきっちりしていてアライメントが無難に出ていれば良品と言える。本製品は回転歪が無いとは言えないが相応のアライメント感はとりあえず保持していると感じた。
怪しげな点はあるものの、ざっと使った感じドライバーとしてもドリルとしても3000円ならばいいんじゃないのという評価はできると思う。アマゾンの商品ページを先ほど見たらプライムデーセールとやらで2576円で売っていた。私には縁のないプライム会員限定だげど会員さんにはいいかもです。お値段は結構乱高下しているようなのでお考えの方はタイミングを見て下さいね。
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