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2023年10月 7日 (土)

朝日岳遭難

Hinanngoya1

4人も亡くなったそうです

大変な出来事です

栃木県の那須連山に属する朝日岳で荒天のため一度に4人の方が遭難し亡くなったとの報道がありました。状況から同一パーティではなく多重遭難のようです。那須連山は主峰の茶臼岳へ2019年10月に登り、朝日岳は眺めただけですが覚えがありとても驚きました。

上の画像は朝日岳と茶臼岳への分かれ(分岐点)にある峰の茶屋避難小屋です。私も当時覗いてみましたが快適そうな避難所でした。地形図で読むとコル(鞍部)に建つこの避難小屋位置から朝日岳山頂まで標高差150m、平面距離で1.5Kmくらい。所要時間は通常30~40分程度と言われており平時はさほど厳しい道のりでもなさそう。遭難はその間で起こったものと思われます。以下の画像は茶臼岳下山時に眺めた朝日岳の南側斜面です。

Asahidake1

画像の左側から伸びる尾根頂部の登山道を通って通常は山頂へ向かいます。画像を拡大すると尾根上に登山者が多数確認できましたが見ての通りの吹きっさらしの環境。遭難当時は北風が風速20m以上吹いていて1名の方は滑落し他の登山者によって引き上げられその後亡くなったとのこと。尾根上で風にあおられて画像にあるゴルジュ(V字の崖)に落ちてしまったのかもしれません。

峠の茶屋駐車場に車を置いて踏み出したのならば往路で避難小屋はルート上にあり見ているはずです。そこまで戻ればなんとかなるという考えは遭難した方々も当然お持ちだったと思う。でも体が動かなかったのでしょうね。
仲間が低体温症で動けないと110番通報をした2人組のおひと方は恐らくは警察の指示でお仲間を残して現場を離れ避難小屋に向かわれたのでしょう。お仲間は亡くなりましたが通報者はご無事との報道がありました。これは苦渋の決断ですが山の状況下では仕方のないことだと思います。そうしないとさらに遭難者が増えていた可能性もある。ただ通報者は辛かったでしょうね。心中察して余りあります。

2週間前に黒部を歩いたときにはまだ夏の余韻がありました。豪雪地帯の黒部でも半袖着で済む程余裕がありましたが、この1週間で季節は急激にシフトしたようです。なんだか秋をすっ飛ばして冬に届きそうな気配すらもあります。亡くなった登山者の方々は荒天時の読みを誤ったのは明らかです。

今年はどう見ても報道される遭難件数が例年に比べ明らかに多い。私がその中に含まれないように然るべき時にすべきことを行い、すべきでない時には行わないを徹底しなければいけないと肝に銘じております。

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登山」カテゴリの記事

コメント

この記事でやっと納得できました。地元の地方紙ではどのようなグループだったのか、なぜ4人も亡くなったのか説明が不十分でした。妻と不思議がっておりました。
大阪からの二人組は三斗小屋温泉の帰りだったとの事、小屋の主人は他のルートでの下山を勧めたそうですが、そちらだとアクセスは非常に悪いので、行きたくは無かったろうなと思います。
地元の3人組も不思議です。いつでも行けるところに住んでいるのになんでまたこんな日に?
箱庭のように小さなエリアで亡くなるのか、高齢者にはバテてからの余裕が少ないのか、それにしてもバテるほどの行動時間ではないはず。
地元の低山はおろか奥日光でも暑い日が9月まで続いたので、体が生っていたのでしょうか。
我が身の事として教訓にします。
この頃乾きを感じづらくなってきました。低体温の予兆を感じた事はありませんが、その時は遅いのかもしれませんね。
数年前に中禅寺湖畔の遊歩道で雷と豪雨の中を歩いた事がありました。ゴアテックスのジャケットは見事に雨を防いでくれましたが、やはり蒸れてアンダーウエアが濡れ、普通に歩いて車に乗り、温泉に入ったのですが、いつもは熱すぎの温泉が妙にぬるくて妻と 変だよね と話しましたが、あれが低体温症だったのか? でも暑かったしストレッチも十分にしてから入浴したのに不思議です。

クラウドさん、
ニュース報道の内容は断片的ですので地元の方でもなかなか理解しにくいところもあったでしょうね。断片を繋ぎ合わせると全体像がおぼろげに見えてきます。

二人組でひとり亡くなった大阪の医師の方は朝日岳への分かれの北側、三斗小屋温泉側に少し寄った草むらで発見されたとのこと。平時ならばそこから30分も下れば避難小屋に届くのですが永遠に届かない30分になってしまったのは無念だったと思います。

もう一方の地元の3人組は自身では救助要請をしていないんですよね。通りすがりの登山者から行動不能の3人がいるとの連絡だったようです。低体温症になると体はおろか頭も回らくなると言われていますのでその時点でどうにもならなかったのかもしれません。

雨が強くても風がそこそこあっても気温さえ高ければどうにかする手段は有りそうですが気温が低いと選択肢もかなり限られそう。4人が亡くなるような条件下でも普通に下山している人もいるようで、そこで装備と経験値の差が出たとも言えそうです。

低体温症はものの本によると体の深部が35度以下になってしまった状態を言うそうです。それが進むと体は動かないし頭は回らないしで非常に危機的な状況になるとか。
雨に濡れたハイク後の温泉がぬるく感じたのは体温が高くなっていたからではないでしょうか。シロウト目線ですが体の代謝がうまく働いていて雨で体温が低下しないように体が正しく反応した結果に見えます。

私も低体温症の経験は無いのですが経験したくはないですね。雪中ハイクには必ずフリースを1枚余分に背負っていきますが、クラウドさんと同様にこの一件は我が身の事として教訓にしたいと思います。

なるほど、体温特に体内温が高くなっていたのか。納得です。長年の疑問が解けました。
濡れても暖かいという宣伝そのままだった事に感心していましたが、それ以上の効果があったようですね。
今回の悲劇の場所は過去にも何度か死者が出ています。山はこういうもの、と割り切るしかないのかでしょうか。
低体温症の症状は映画 八甲田死の行軍 にも出てきましたが、脳から症状が出たらどうにもならないようですね。

クラウドさん、
ゴアテックスの雨具は山を安全に歩きたい方とっては必須のギアですよね。登山グッズはガテン系や百均物が多い私ですがピンポイント的に必要なコストは掛けるようにしています。やっぱり命は惜しいです。

事故が起こった場所は地形図を見ても衛星画像を見てもそんなに厳しいところには見えないのですが、過去何度も死者が出ている場所なのですね。多発する発生要因があるのでしょうね。

状況判断は大切だと思います。山小屋やほとんどのテント場が全て予約制となりスケジュールに押されながら山登りをするようになると判断に誤りが発生する可能性が出てきそうです。小屋泊の価格が温泉ホテル並みになってしまったのは時代的に仕方がないにしても予約が無いと泊めてもらえないってのはどんなもんでしょうね。

新田次郎の小説は読んでいないのですが健さんの映画、八甲田山はTVで観ました。極限状態における人間の様が印象的でしたね。自分をいじめるのが好きな私でもあの経験はしたくないです。

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