VHSビデオテープを復活させるぞ(再生編)
うまくいきました
古い映像に感動です
30年以上前に作られた人形劇ドキュメント番組のVHSビデオテープを見られるようにさせようというプロジェクト、まずはテープのリペアから手を掛けてそちらは完了した。さて次は再生環境だ。
手元にはVHSビデオデッキは無い。友人各位にもさすがにもう所有者はいなかった。そこで手っ取り早く近所のスーパーリサイクルショップへ出向き安価な出物は無いかと物色しました。まだこんな過去映像メディアへの需要はあるようで動かない数百円の部品取り用真正ジャンク品から数千円の一通り動きますよ的な商品まで多くのバリエーションがある。光って見えたのが以下。
リモコンは無いが再生はできるらしい。当時は高かったS-VHS製品ですよ。今回は再生さえまともにできれば他の機能はどうでもよいこと。なんといってもお値段に惹かれる。無保証品なので動かなかったらゴミになるがここは私のくじ運に賭けてみることにした。
商品ラベルにはカビのあるテープは使うなとの表記がある。お代を払うときにレジカウンターの兄ちゃんに聞くとカビテープを使って一発でヘッドをダメにしてしまう人がかなりいるのだそうだ。私の場合は完璧にカビ取りをしてあるのでその点は心配無用ですな。
お家に持ち帰りコンポジット信号のピン端子で繋いでTVで見てみる。S端子も装備しているがこの先使うことはないだろうと何本もあった我が家のSケーブルは全部廃棄してしまったので画質的にちょっと劣るのは仕方ないです。
さすがジャンクビジュアルと表記の商品。なんとか再生はできたが動きがぎこちない。早送り巻戻しも元気がないな。でもそこは何度か操作して油が回ってきたらだいぶ良くなってきた。オートトラッキング機能があるようで再生して数秒でトラッキングノイズは消える。ただ画面下端に水平のスイッチングノイズが常時出ているがこれは編集で消すこともできそうだ。なんとか目途が立ってきたぞ。
さてビデオテープの再生ができる目途が立つとこれをデジタルデータに変換したくなる。ビデオデッキだってあとどのくらい生きていてくれるか読めないですしね。そこでネックとなるのが著作権。この番組の録画はTV局ではなく社団法人神奈川ニュース映画協会が元の著作権を所有していたものと思われる。ただその法人格は2007年に解散して今は存在しない。著作権は財産であり法人が解散した場合にその残余財産が別の法人に譲渡されれば譲渡を受けた法人に著作権が帰属するのだそうだ。同協会は神奈川県の外郭団体、また番組のスポンサーは神奈川県であったという経緯から県が引き継いだと考えるのが妥当ですね。
そこで窓口となる県庁知事室テレビラジオグループに問い合わせてみた。担当者K氏からは自身が行う個人視聴の範囲ならばテープから電子データへのファイル化やDVDへのメディアコンバート等については問題は無いとの見解をもらった。よしそこもクリアできましたよ。
さて電子ファイル化です。ここからはアマチュアらしく手持ちのアセットを駆使していきます。ビデオデッキからビデオ信号をブルーレイレコーダーの補助入力端子に入れてまずはHDDに録画。この録画は保険とします。動画ファイル化にこの録画を使ってもいいのですができるだけ画質劣化をさせないために再度VHSビデオデッキの再生信号をパススルーでブルーレイレコーダー経由でHDMIにて出力させ、その出力を手持ちのビデオキャプチャーユニットで取り込む。同時にOBS Studioという定番フリーソフトを使ってパソコンでmp4の動画ファイルを作ります。mp4になってしまえばこっちのもの。出来たmp4ファイルをこれも定番のAviUtlを使って編集します。
Youtuberも使っているというAviUtlは動画編集にはほんとに良く出来たフリーソフトです。ビデオ立ち上がり時のジッターノイズをタイムラインでカット。古い4:3テレビ画面サイズのソースなので16:9のHD画面だと左右に余白が出る。そこで余白を切って960x720にサイズ変更。画面下端に流れるスイッチングノイズはクリッピングで外して、その際にできた余白を消すために気持ち拡大。再度960x720に収めたついでに映像記録らしくトップにタイトルテロップ画面を数秒間足したりしてそれっぽく。仕上げはオーディオレベルがちと低かったのでMP4Gainで90dbくらいまで持ち上げて最終的に14分間で100MBくらいの容量となる動画になりました。
元が1Vp-pのコンポジットビデオ信号なのでカラーダイナミックレンジが広くなく発色もいまひとつ。YC分離はうまくできているようだがコントラストが甘い。AviUtlで少し色補正したけどまぁそこは30年前の映像水準であると納得します。映像に映るその頃の自分の姿が懐かしくも恥ずかしい。あの頃の熱量はさすがに今は無くなりました。別のお熱は持っていますがね。
世間には今回のような面倒な作業を有料でやってくれるサービスはけっこうありますね。数百円なんていう価格を掲げているところでも基本料金だカビ取り料だ送料だと最終的には中古のVHSビデオデッキの価格以上の出費となるようだ。でも自前でやってみるとその手間を考えれば価格も納得できたりしますね。
さて目的は達成されましたがワンタイムのつもりで買ったVHSビデオデッキは用が足りてしまった。購入店へ売りに行くかな。
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