日本百名山と新日本百名山
8月お盆時期に関東地方に接近した台風7号ですが神奈川県下では思ったほどの被害もなく幸いでした。我が家もそれなりに準備してはいたのですが空振りで済んだ。まぁ自然災害には心配するには越したことはありません。
この天気でアウトドアアクティビティを延期中止させた方々も多かったことと思います。まぁ荒天を押して行っても楽しいことはありません。荒天時は経験値を高めたり修行にはなりますがリスクと満足を天秤に掛けても割の合うものでもないですしね。
山の遭難件数もうなぎのぼり。長野県だけで一週間にこれだけの遭難件数を数える。死者行方不明者の割合いは登山シーズンを通じておおよそ全体の2割弱くらいで推移しているようだ。5件の遭難救助依頼があればひとりはお家に帰れない人が出ている勘定になる。命有ってのものだねですね。
世間には山登りの指標として百名山登頂ってのを目指している方が一定数いらっしゃる。かくいう私もやみくもに登るよりも目標が有ったほうがいいだろうくらいの気持ちで登り始めて52座まで届いたがまぁそれ自体は楽しくやってこれた。ただ日本百名山は本の著者深田久弥が戦前戦後という今から半世紀も前に登ったお山の中で彼が決めた単なる100のお山に過ぎないのは周知の事実。人気投票でもすればまた違った結果が出ることでしょうね。実際にその半分を登ってはみたもののこれが名山ですかねというようなちょっと残念だった山頂もいくつかあった。深田久弥は山の品格、地政学的な歴史、個性で百山を選定しているようだが、研究者でもない一般の登山者からすればそのような小難しいことを考えつつ登っているわけでもなくある意味どうでもよいこと。汗をかき疲労しながらも時に技術を駆使して自らの足で登って山頂に立ち、絶景の見晴らしが堪能できればそれでオッケーなんですよね。
時代が流れ登山環境の変化も無視できない。先日登ってきた雨飾山は良いお山だったが日帰りでさくっと登れてしまった。これは小谷村が整備するしっかりした登山道があるがゆえなのだけれど深田久弥が3回もトライしてやっと山頂に届いたという戦前戦後時期とはまったく環境が異なっているのです。また百名山が北アルプス・南アルプスに集中していることもやや気になる。山中2~3泊はしないと行って帰ってこられない北アルプス深部、南アルプス南部のお山を沢山集められてもねぇみたいな感じ。「山の品格」などというあいまいで主観的評価が強く出る判断基準で選んだ結果、日本アルプス界隈の山々が数多くピックアップされてしまったのかもしれませんね。
百名山にかすりもしなかった府県は全国で16もある。これらの府県の方々からはうちにだっていいお山はあるんだぜと不満のひとつも出ることでしょう。
そんなわけで登山する山を選ぶ指標としての日本百名山は悪くない選択だとは思いつつ今の時代に沿っているかという点で一抹の疑問も感じるところでもある。そんなことを考えるのはわたくしばかりでは無かったようで2006年に出来た新日本百名山なるものがあるのを知った。これは中高年にも登りやすいお山として選んだ百座だそうで52座は日本百名山にリストされたお山と被っている。半数入れ替えって感じかな。
神奈川県では丹沢山が落ち蛭ヶ岳と神山が入っている。神山は大涌谷の火山ガスの影響で登山道の通行止めが現在も続いていて登れないのが残念なところです。
昨今の登山ブームを反映してなんとか名山っていうリストが花盛りでそれ自体はけっこうなことと思います。何が名山なの?という素朴な疑問があるにせよ日本人的にはこのような他人様が作ってくれたリストは安易な目標としてありがたいもの。私も大いに参考にさせていただこうかなと思います。
でも次は涼しくなってからですかね。
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