第35回神奈川県マーチングコンテスト 2024
うだるような暑さの中、年中行事である神奈川県マーチングコンテストを観てきました。昨年途切れた小学生バンドフェスティバルに1校、マーチングコンテストA・B部門で10校が出場。コロナ禍以降の開催は3年目ですがマーチングコンテスト参加校はほぼ固定化してしまっているような感もありますね。観る方としては前年と比べての仕上がり具合がよく分かって馴染が出てくる反面、サプライズに少し欠けるかな。でも一生懸命に演ずる出場校皆さんの姿を見ていると元気をいくらか分けてもらっているかのような気分になるから不思議です。
結果を先に申し上げると全出場校が仲良く金賞、全校が次段である東関東大会へ推薦され県代表となりました。マーチングコンテストの金賞校と代表校は昨年と全く同じ顔ぶれ。(昨年唯一銀賞だった学校は今大会不参加)昨年より本県における規定のあるA部門の東関東大会出場推薦枠が6校に増えているのでB部門4校の推薦枠と含めて全出場校が金賞・推薦となるのが決まっていたかのようです。
閉会式の中で吹奏楽連盟理事長が推薦校を発表する際みんながんばったからみんな代表推薦ですと言っていた。みんながんばったのは紛れもない事実です。ただしコンテストは競技であり私のようなシロウトが見ていても優劣が存在していない訳でもなかった。他府県の大会では過去には銀賞・推薦というようなケースも有ったと聞きますが本県では横並びという教育的配慮と推薦枠上の必要性が優先された結果にも見えます。でも金賞は金賞、推薦は推薦ですよね。皆さん胸を張って母校に戻っていただきたいです。
以下感想をいくつか・・・
相模原市立谷口台小学校
座奏の小学生バンドながら50人編成というなかなかの頭数。「故郷」というタイトルにふさわしく祭り囃子を絡めた構成は小学生離れしていましたよ。和楽器の横笛がタイトルらしい雰囲気を出していました。良い指導者が付いているのでしょうね。バンドフェスティバルは参加条件のハードルが低いのでぜひこれからもエントリーしてもらいたいですね。
横浜市立港中学校
R&B風のユニフォームもかっこいい。Dreamerのタイトルに沿ったおやすみのポーズがかわいかったです。星に願いをは少人数編成でもけっこう聞かせられる曲ですが楽しさが伝わってきましたよ。
小田原市立城北中学校
30人編成ですがFeel the beatのタイトルどおりビートを効かせてきました。コンテはシンプルで動きは少なかったけどマツケンサンバとダニーボーイは聞かせました。ダニーボーイは年々うまくなっている気がする。ベルアップの音圧も高かったですしドラムメジャーのバトンパフォーマンスはなかなかでした。ドラメを立てているのですからまた規定有りのA部門に復帰してもらいたいですね。
県立湘南台高等学校
別リーグであるM協(日本マーチングバンド協会)の強豪校です。吹連マーチングに突如として参加した2019年には130人規模の編成で登場し、会場が手狭に感じる音圧と目玉が3組くらい必要なパフォーマンスにしびれました。今年は18名のカラーガードを含めて80人ほどで昨年よりさらに少なかったですがそれでも派手な動きとポイントの正確さは相変わらず。ピット楽器を除く動く楽器はドラムスとラッパ系のみというM協風の編成も吹連マーチングとの差異を際立たせます。でも2019年以降だんだんと編成が小ぶりになってきているのが気になりますね。登場以来連続の朝日新聞社賞をもらっていました。
東海大学付属相模高等学校中等部
マーチングの王道ミニスカドラメが42名を引っ張ります。Phantom of the Tokaiのタイトルもいいですね。外周回りで少し列が乱れたのが惜しい。オペラ座の怪人はいい選曲です。
東海大学付属相模高等学校
兄貴分も負けてはいません。昨年は少々元気を感じられなくて失礼ながら朝日新聞社賞は他校に回すべきだったくらいに思いましたが今年は全く違いました。緻密なコンテと正確なポイントは今回の出場校ではトップでしょう。8名のシンバル隊もいい味を出していました。外周回りのコーナーは複雑なライン分けをしっかりとこなしていたのはさすが。ドラムメジャーは男性でした。(男のように見えたが違ったらごめんなさい)私が知る範囲ではコンテストでの男性ドラムメジャーは当校では珍しい。なかなかのバトンパフォーマンスでした。今年は文句のない朝日新聞社賞です。
大西学園中高等学校
昨年は18名の大会最小編成でしたが今回は23名での出場。頭数は少ないですがフィールド演奏で鍛えた音圧はその人数を感じさせません。タイトルは「音も心も優しくブレンド」とのことでしたがけっこう押しのある演奏演技でしたよ。今年は前半に橘シングに回帰したステップを披露。なんと京都橘高校が2009年に全国大会金賞を取った際に使ったグルグルもどきまでやってくれた。君たちはその方向性でいいのです。コピーではないオマージュです。前半後半の構成は反転した方がより観客にインパクトを与えられたかもしれません。
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皆すばらしい演奏演技でした。往復5時間掛けて出かけた価値があるってものです。ただ例によって運営は気になることが多かった。審査員に対する忖度は相変わらずで、なんで開会式閉会式で2回も個別に紹介してそれぞれ拍手を求め、最後は盛大な拍手をと要求してくるのだろうか。一般観客までがそこまで審査員に媚を売る必要はまったくない。閉会式での2度目の審査員紹介では求められても盛大な拍手が会場から湧いてこないことで空気が読めないのかな。そんなに敬意を表したいのなら任命責任で理事長以下役員一同並んで審査員へ45度の最敬礼でもしてやればいい。今回は無かったが以前には審査員に揃いのスリッパまで支給してあげてゆったりと特等席で審査してもらっていた年もあった。そのうちおしぼりドリンクのサービスまで出てきそうだ。そして今回厳正なる審査をしていただき頂戴した結果は全校金賞全校代表推薦という一言でくくられていた。
また今回は閉会式のスピーチまでやることがない神奈川県吹奏楽連盟トップの理事長がこっそりと特等席である審査員席にまぎれて座り、高みの見物を決め込んでいたことが分かった。なんだか審査員席に場違いな人がいるなと遠目に見てはいたが閉会式の理事長スピーチに立ったその人でした。もしもし理事長さん、特権意識をお持ちのようですがそこは審査員先生様専用のお席ですよ。下々の私たちはその横の一般席でぎゅうぎゅうにひしめき合って座ったり立ち見したりしているのですよ。さらに理事長さんは席に侵入しようとした際に審査員以外立入禁止としてセパレートしていたテープに足を引っ掛けてぶった切ってしまうという余分なお仕事までしてくれた。まぁなにをかいわんやです。
いろいろと思うところはありますが参加各校の皆さんがのびのびと演奏演技をしてくれたことがなによりも嬉しいことであります。技により一層磨きを掛け来年はまた違った顔を見せてくれることを期待しております。
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こんにちは、娘が出場し会場で見ていました。記事を拝見しなかなか深く見ていらっしゃったようで感心しました。確かに娘も金賞と県代表は取れるんじゃないかと事前に言っていましたが色々と事情も有ったのですね。
審査員席は遠かったので気にしてませんでしたがそんなことがあったとは知りませんでした。審査員紹介は確かに1回すれば十分かなとは私も思います。
全校金賞っていうのも安売りみたいに感じますが娘が頑張ってくれてたのは事実なのでそこは満足しています。
投稿: おにやんま | 2024年8月29日 (木) 15時22分
おにやんまさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
娘さんの金賞・神奈川県代表推薦おめでとうございます。ブログ記事では色々と書きましたがそんなことは出場校の皆さんにはそもそも関係のないことで、今までの練習成果を発揮した結果であったことは間違いはありません。コンテストメンバーの皆さんも昨年の神奈川大会の審査結果を見た上で今年の自校の仕上がり具合と合わせればなんとなく結果が予想ができたのかもしれませんね。
色々運営について批判を書いていますが現理事長は長年横浜の高校で吹奏楽部を率いてきた教諭でした。教育者は教育者らしく子どもたちの手本となるべき立ち振る舞いをすべきですが今回はそれが出来ていなかった。たまたま私が今年気が付いただけで理事長は慣例として長年同じことをしてきたのかもしれません。皆が気が付かなきゃいいだろう程度のノリですかね。少々残念に思います。
娘さんの東関東大会での活躍を祈念しております。今年は東海大相模高の調子が良いので念願の東関東突破を期待しています。出場皆さんの活躍は見ているだけでワクワクしますね。この先も楽しみです。
投稿: Fiby | 2024年8月29日 (木) 21時26分