XV 再始動バッテリーは再始動用だけじゃなかった話
先日の雪国行でエンジン始動をしそこなって冷や汗をかいたのでバッテリー交換を急遽検討することになった。4年半と走行7万Kmを超えてそろそろ潮時かなというのは承知しているところ。ただし冬が終わると山が限界に近くなっている夏タイヤの購入も考えなければならないためそっちへもけっこうな金額が出ていってしまう予定。そこで鉛バッテリーを交換するにもみみっちく補機用1個で済ますか再始動用を含めて気持ちよく2個交換するのかを今回判断しなければならないところは小遣い亭主の最初の悩みどころとなります。
現状はアイドリングストップ時やEV走行後に用いるエンジン再始動バッテリーの劣化具合はバッテリーテスターで調べる限り補機バッテリーに比べてそんなに悪くはない。一方で自動車が同様のバッテリー状態を知るために双方の鉛バッテリーにはバッテリーセンサーがマイナス接地極に取り付けられている。車両ECUはこのセンサー情報でバッテリーの状態をリアルタイムにモニタリングしているのですな。
バッテリーセンサーは画像のような四角い箱だがバッテリーマイナス端子とボディ接地線との間に挟んで設置されている。純正品のパーツ価格を調べると1万円以上するので中身に色々と詰まっているようだ。流れている電流値と方向(充電/放電)、電圧、バッテリーの推定温度、バッテリーの内部抵抗(劣化判定に用いる)を検知しその情報を車両ECUに送信しているらしい。別件修理でディーラーさんに車を預けた際にリセットを掛けたと言っていたのはこのカプラーを一旦抜いたということなのでしょうね。
ではこの再始動バッテリーにつながるバッテリーセンサーのカプラーを外した状態だとどうなるのかという検証をしてみたのが以下。上の画像の状態でIGスイッチをオンしてみるとエラー表示のオンパレードとなった。
ハイブリッドシステムが動かないよというの当然ながらアイサイトやABSもエラー表示が出た。このセンサーのセンシングデータは意外にもこれら車両の電子キーデバイスにも使われているようだ。つまり再始動バッテリーの健康度はエンジン再始動のみならず車両の安全に関わるこれらの機器の動作に深い関係性を持っており重要な問題なのだということを理解した。
やはりここまで分かると全とっかえするしかありませんな。予算に余裕があればPanasonicの青バッテリーにしたいところだけど懐具合を考えてBOSCHを選んだ。交換品型番は同社の適合検索で調べることができる。BOSCHは基準CCA値やEFBタイプかどうかをしっかりと表記しているのは好印象。パナはその種の情報を公開していないのです。新バッテリーが届いた取り付け前にバッテリーテスターで測ってみる。測定CCA値は表記値の25%増し、内部抵抗値は5mΩ以下、充電率は99%、製造は2個とも昨年の11月末ということでまぁ上等であります。
取り替え完了後のエンジン始動前に電子制御スロットルの初期診断とブレーキペダルのストロークセンサー学習制御等々のイニシャライズを最初に行う。(エンジンを始動せずにIGスイッチをオンして30秒ほど放置) 最近の電装品満載の車はバッテリーもほいほいと交換するだけじゃ済まないのが面倒なところ。お高いカーディーラーさんで交換ならしっかりとやってくれるでしょうが、工賃が安いからと言ってカー用品店やガソリンスタンドなどに頼むとそんなところまでは気にしてくれないので結局は自前で用意して交換することになるんですよね。再始動用バッテリーの重量は14Kg、補機バッテリーは18Kg、ずっしりと重たかったです。
失敗もあった。以前に作ったODB2端子に差し込んで使うメモリーバックアップツールが思ったように働かなくてエンジンルームにあるODBの7.5Aヒューズを知らずのうちに飛ばしてしまいバックアップに失敗。おかげでけっこうな量の車両やナビの設定値が初期値に戻ってしまった。まぁこつこつと再設定してやれば済むことなのですが、面倒なことにオートライトの点灯感度レベル等ディーラーでの端末接続しての設定でしか替えられない項目がいくらかあってこれもデフォルトにリセットされている。再設定を頼むと有料なんだろうなぁ。
追記:設定値はかなりの部分で残っていました。メモリーバックアップには失敗しましたがユーザーに開放されていて変更した車両設定項目のうち8割方は残っていました。鉛バッテリーを取り外しても良いように不揮発性メモリに記録されているのかスーパーキャパシタなどでECUがバックアップを組んであるのか実体は不明ですが、いずれにせよリセットされるのは時計の時刻や言語設定など一部に限られるようです。これならばなまじメモリバックアップなんぞ考えずにさっさとバッテリーを交換して前述のイニシャライズを行った後に時計やナビなど一部の再設定をしてあげればいいということになります。同様のシステムを持つスバル車で鉛バッテリー交換を行う場合はご注意下さいね。
バッテリー交換後は当然ながら快調です。雪の中でエンジンが掛かるかどうか気をもまなくて済むのは精神衛生上もよろしい。自分が安心なだけでなく求められれば他人様をお助けすることもできる。まずはひと段落。夏タイヤの購入資金が目減りしてしまったがタイヤグレードを下げるかな・・・
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