カテゴリー「キティホーク乗艦記」の記事

2006年9月27日 (水)

キティホーク乗艦記(番外編)

番外編。
キティホークのクルーズは後の主催者側発表で2200人ものゲストが乗り込んだとの情報を目にした。よくぞまぁこれだけの人間を積み込んだものだ。確かにゲストルームにあてがわれたハンガーべイは終戦時の引揚船のように人でごったがえしていたが、二千人以上も余分に飲み込んでいたとは思わなかった。
今回の参加費は5ドル。これで朝ご飯と昼ご飯が付いてくる。ただしなにかしらの事故が起こったときに米政府へその責任を訴追しないという念書にサインを求められた。甲板から海に落っこちても自己責任だよというわけだ。フライトデッキにギャラリーを並べてそのすぐ脇でタッチアンドゴーを見せるとはさすがアメリカはやることが派手だ。日本じゃ絶対そんな危なっかしい見物方法はとらないだろう。それ以前に自衛隊には航空母艦は存在しないが・・・

Morning 艦内で提供された朝ご飯と昼ご飯。左の画像がモーニング、右側のがランチだ。こんなのをカフェテリア形式で好きなだけ取って食べていいのだが、そうそう腹に入るものではない。横では外人さんたちがトレイにてんこ盛りにしてばくばく食べていた。彼らのお腹はスLunchチールでできているらしい。味付けもアメリカ風で、ハンバーガーの パテはなんだか淡泊でパンズはぱさぱさ。まずくはないがそんなに美味しいってものでもない。ただ当日けっこう波風が高くて揺れるかなと思ったのだが、8万トンの大ぶねはぐらりとも揺れなかったのでたらふく食べても船酔いの心配だけはなくて助かった。

エアショーが終わって帰港するまでの間、ハンガーベイではアトラクFightションで水兵さん達がゲストのファミリーにサービスをしていた。真っ赤なプロテクターで全身を包んだ水兵さんを、棍棒でもって好きなだけ殴りつけていいよというイベントに子供達の列が出来ていた。反撃は御法度のようで水兵さんはやられるがまま。子供限定なのだが、大人がやったらけんかになりそうな雰囲気がある。もっともワシなどはとても恐ろしくてできないが・・・

水兵さん達は皆親切で分からないことは聞くと丁寧に教えてくれるし、艦内もほとんど自由に往来できるのが有り難かった。さすがにカメラは御法度だったがCDC(Combat Direction Center 戦闘指揮所)も見学を許された。艦内では兵器庫と並んで一番機密度の高い部屋だ。真っ暗な部屋にレーダースクリーンやモニターディスプレーが明滅してしていて、スクリーンにはLink16という敵味方識別コードで繋がった友軍艦艇がプロットされていた。戦時にはここから命令を発することになるのだろう。ブリッジには登れたのだが操舵室が見られなかったのが残念と言えば残念なところ。

今回、純粋に怖いもの見たさの欲求は充足された。願わくばこの怖いものが本来の怖さを発揮する機会がこの先も来ないことを切に願いたいと思う。

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2006年9月23日 (土)

キティホーク乗艦記(最終編)

中編の3の続編。

Ooshima 嵐のようなタッチダウンとテイクオフの連続が終わり、フライトデッキもやや落ち着いた。だがこれで終わったのではなかった。今度は各種の飛行機がフライバイという低空で近くを通過するデモフライトが続く。随伴艦を含めて一斉に左へと急速回頭をした。後方には伊豆大島のシルエットが延びている。こんなに島の近くで演習をしていたのだとは気が付かなかった。

Flyby1Flyby2Flyby3

ブリッジ上でフライトデッキの直上を音速で通過するジェット機を見ていると、タッチアンドゴーよりもさらに迫力がある。E-2Cのローパス(低空飛行)は機体が大きいだけに迫るものがあった。映画「トップガン」でもトムクルーズがふざけてフライバイを要求し、通過時のソニックブーム(衝撃波)で管制塔のエアボス(航空管制指揮官)がコーヒーをこぼしてしまうシーンが出てくるのだがまったくそんな感じ。目前で音速を超える時のソニックブームはまさに落雷のように聞こえる。コーヒーカップを手に持ってなくて良かったなぁと思う (^^;)

一機のホーネットがアクロバット飛行を披露してくれた。急降下に背面飛行、宙返り、きりもみ飛行、どれも難易度の高い技で、以前に航空自衛隊浜松基地でみたブルーインパ ルの曲技飛行よりずっと大胆に見える。いちばん驚いたのは機Navyphoto1_1首を45度に持ち上げた常態で失速寸前までエンジンパワーを落とし、低速で水平方向へスライドしていくという技。まるで犬の散歩のよう。派手さはないがF/A-18の運動性能とパイロットの技能を見せ付ける見事なもの、あまりに見とれて写真も撮る暇がなかった。Navyphoto2
米海軍のオフィシャルホームページにて今回の行事を紹介していたのでそこから画像を少し拝借してきた。さすがに従軍カメラマンの撮る写真はすばらしい。ほんとにこんな風に飛んでいたのですよ。や っぱ道具かなぁ・・・と自分の腕の無さを棚に上げて道具のせいにするのはいつものことだ。

デモフライトも無事終了。艦載機はそのまま全機神奈川県厚木市の海軍航空隊基地へと向かった。耳当てのイヤーマフを外すと普段の世界に戻った気がする。興奮の2時間だった。
まったく偶然に降って沸いた今回のキティホーククルーズだったが、こんなチャンスはもうそうそう無いだろう。この船も2008年には退役する。後を継ぐことになっている航空母艦は言わずと知れた原子力船。もう日本人は乗せてはくれないだろう。Bousou自分の悪運に感謝しつつ、ハンガーベイに戻った。
軍側が提供してくれた食事をハンガーベイでほおばりつつ興奮の余韻に浸る。ふと開口部から外を見ると房総半島が見えてきた。ホームポートの横須賀はもうすぐだ。

今回は航空母艦の持つ圧倒的な軍事的プレゼンスを感じることができた。それらはパイロットたちの卓越したテクニックとその何倍もの数の関連要員たちによって支えられている。この1隻が日本海やアラビア海に存在するだけで周辺国に与える威圧感は相当なものと推察できる。しかしながらこの五千人の乗組員と何十機もの航空機を持つこの船一隻を維持・更新していく莫大なコストは、小国の総軍事予算にも匹敵する。平和はタダででは手に入れられないということだろうか。平和な日本はいまのところその傘の下に存在している。平和のために払わなければならない日本の代償について、落ち着いたらじっくりと考えてみたいと思っている。

延々と続いた長文をご覧いただきありがとうございました。

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2006年9月22日 (金)

キティホーク乗艦記(中編の3)

中編の2の続編。

Go 飛行甲板上では発艦準備が整った。緑色のジャケットを着たカタパルト要員が準備完了のサインを送る。いよいよホワイト大佐のテイクオフだ。合図員がGOのサインを送り、重量20トンの飛行機を一瞬にして時速300キロ以上に加速する。すごい迫力だ。映画で観るシーンとはまるで違う臨場感がある。カメラのシャッター速度を速めてもとても静止できない。あっという間に彼方へ飛んでいってしまった。

White3_1Wingman1 Wingman3

アメリカの象徴である白頭ワシを尾翼に描いたホワイト大佐の僚機もアフターバーナーの赤い炎を残して発艦していく。カタパルトから打ち出されると艦首側のカタパルトに乗っていたホーネットも同時に飛び出していった。ともかく手際よい。次から次という感じ。パイロットや甲板要員の熟練度は相当に高いとみた。

Ea6b3Ea6b1Ea6b2 

引き続いてEB-6Bがカタパルトにセットされる。本艦の左舷側を寄り添うように併走するのは横須賀を母港とするイージス巡洋艦CG63カウペンス。こちらの方にも鈴なりのギャラリーを載せているようだが、やはり迫力は空母に乗っていた方がより強烈だ。カタパルト要員が入念にチェックをしてこちらも無事に発艦していった。

E2c1E2c2Formation1

さて発艦のトリを勤めるのはE-2Cホークアイ。こんな大きな飛行機が飛び立てるのかねと思うくらいの存在感がある。でもさすがに蒸気カタパルトは優秀で、ぐんぐん押し出していく。上空では先に飛んでいったホーネットが編隊を組んで旋回をしている。フライトデッキ上の飛行機はこれで全機発艦していった。さて次はなにを見せてくれるのかな。

Landing1_2Landing3_1Landing2_1

デッキがきれいになったら直ぐにタッチアンドゴーが始まった。最初のホーネットが艦尾から降下してくる。船は最大戦速で風上に向かって邁進している。ごう音と共にタッチダウン、その後エンジンを吹かしてまた離艦する。こりゃすごい。進入経路がちょっとでもずれるとフライトデッキ上のギャラリーに突っ込んでしまう。パイロットの腕前にはほとほと敬服してしまった。

WhitelandingE2c_landingLandinghooking

ホワイト大佐の乗機も降りてきた。飛行隊指揮官なんだから下手なところは見せられませんぞ。この時はタッチアンドゴーではなく着艦フックを引っ掛けて降り立ち、即座にタキシングしてカタパルト甲板へ移動、直ぐにまた打ち出されていった。この一連の流れはほんとにすみやかで、作業のフローにまったくよどみがない。もうさすがと言うほかない。
E-2Cも負けじとタッチアンドゴーのデモンストレーション。しかしちょっと右にロールしすぎているぞ。あぶねぇあぶねぇ。
唯一着艦ワイヤーの状態が撮れたのは上右の画像。二番目のワイヤーを引っ掛けて無事着艦。この機も直ぐにまた発進していった。ともかくこれでもかというくらい着艦、再発艦、タッチアンドゴーを繰り返す。おかげで質は悪いが色々な写真を撮ることができて嬉しい。とはいうものの被写体の速度があまりにも速すぎて写真上では止められない。う~む、良いカメラが欲しくなったぞ。

アナウンスがあって飛行甲板が開放された。もう発着艦はしないようだ。これで終わったと思ったらとんでもない。まだ次の部が控えていたのだ。

以下最終編に続く・・・

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2006年9月21日 (木)

キティホーク乗艦記(中編の2)

中編の1の続編。

Kitty3_4 東京湾を出てしばらく経った。恐らくは大島沖あたりの訓練区域まで進むことになるだろう。ブリッジのフライトデッキ寄りから見ているとまさに高見の見物。フライトデッキにいるよりよく見渡せる。後方を見ると幅広いウエーキ(引き波)を引いていた。直径7メートCleaningルもあるスクリュー4基が30ノット近い速力を絞り出している。8基 あるボイラーもフル操業ってところか。
フライトデッキでは甲板員が一列になって異物を探して歩いていた。今回はデッキ横にギャラリーが並んでいて、10メートル先をジェット機がタッチアンドゴーで通過することになる。万が一車輪がパンクでもして人混みに突っ込みでもしたらえらいことになるのはもちろんだ。

Engine_testTestCapt1_1   

面白い場面に出くわした。蒸気カタパルトの試験だ。このカタパルト、ジェット機を引っ掛けてエンジン推力と合わせて時速300キロ以上まで加速するもの。加速が得られなければ飛行機はそのまま海へ直Magwai行してしまう。入念にテストが行われていた。そうこうしているうちに手前にある派手な機 体に乗るパイロットが現れた。機体色とコクピット横に書いてあるマーキングから第27戦闘攻撃飛行隊(VFA-27)ロイヤルメースの隊長さん、“マグワイ”ホワイト大佐だと思う。マグワイとはコールサイン名で、あの名画「トップガン」でトムクルーズ扮するパイロットのコールサインは“マーベリック”だったのをご記憶の方もいるだろう。しかしホワイト大佐は日本語で「まぐわい」ってのがどんな意味だかわかってるのかねぇと思う・・・

いよいよエンジンテストが始まった。すごい爆音だ。射撃競技で使うイヤーマフ(ヘッドフォンみたいなやつ)をあらかじめ持ってきておいて良かった。これがないと難聴になってしまう。もちろん甲板上の機付整備員たちは皆でっかいイヤーマフを付けている。甲板上に駐機していたヘリコプターが上空監視の任を帯びて離艦した。準備は着々と進む。

Ea6b_1Fa18c_1Fa18f   

発艦準備なった二機の横を艦首のカタパルトに向かってF/A-18Cがタキシングしていった。さらに複座のF/A-18Fも発艦待ちをするためその後を追う。編隊長機に比べると塗装はシンプルだ。上中の画像を見ていただきたい。ギャラリーと飛行機との間は僅かしかない。タキシングしてとろとろ動いていくくらいならまだしも、タッチアンドゴーをこの距離ですることになると多分ものすごい迫力になるだろう。迫力というよりも怖い。ブリッジに陣取っていて良かったなぁと思う。例の編隊長機の後ろにも順番待ちのEA-6Bが待機する。5機のジェット機と1機の双発プロペラ機全てのエンジンが回って甲板上はものすごい爆音の嵐。いやがおうにも期待が膨らむ。

さぁ、いよいよショータイムだ。

以下中編の3に続く・・・

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2006年9月20日 (水)

キティホーク乗艦記(中編の1)

前編からの続篇。

Ladder 階層構造になっている艦内はまさに迷路と言うにふさわしい。しかも立ち入り禁止区域が設定されているわけでもなく、道案内が立っているわけでもなくてどこにでも行けそうな感じだ。この辺は乗組員が家族を彼らの持ち場へ連れていくのに制限を設けていないためだろう。何層にもなっている階層をひたすら上に登っていく。そのうち甲板へ出るだろうと思っていたら迷子になってしまい、"AIR BOSS"(航空管制指揮官)って書いてある個室の前に出てしまって一瞬あせってしまった。どうもブリッジ(艦橋)まで登ってしまった感じ。近くにいた水兵さんにフライトデッキへ行きたいんだと言ったらご丁寧にも案内してくれた。変なところにでも行かれたら困ると思ったのかな。

Landing_wireBridgeFlight_deck   

ブリッジのハッチから出るとフライトデッキはごらんのとおり歩行者天国状態。レーダーはぐるぐる回ってまさに航海中の雰囲気だ。足下を見ると着艦ワイヤーが何条も伸びていて足を引っかけそう。このワイヤー、直径4cm程あって飛行機の着艦時にはこれにフックを引っ掛けて止まる。まさにパイロットにとっては命綱となるものだ。 

E2cFa18Ea6b 甲板上にはこれからデモフライトを披露する航空機が数機繋留されている。一番大きいのは双発プロペラ機の上空早期警戒機E-2Cホークアイ。大きなレーダーアレーのお皿が飛行中はぐるぐると回る。上真ん中の画像、艦尾に2機並んでいるのは一見似ているが実は左側がF/A-18Cホーネット、右側が新型F/A-18Fスーパーホーネットだ。さて画像から違いがわかるかな?上右の画像は電子戦支援機のEA-6Bブラウラー。ベトナム戦争当時からある攻撃機の改造版で、レーダーや通信の欺瞞を担当する影武者みたいな存在になる。

KaihoFa18cFa18e 

発艦用カタパルトにはすでに二機が用意されていた。上左はF/A-18C、真ん中の画像はF/A-18E。ホーネットと言えども色々と種類があるものだ。こちらの飛行機は派手なカラーリングをしている。編隊長の乗機だろうか。
そうこう物珍しく見ていると艦は東京湾の出口に向かっている。東京湾上にある人工島「第二海堡」のすぐ脇を通過した。外海はもうすぐだ。

Bridge2Sh60bSh60b_1   

ブリッジへ登っても怒られなさそうだったので行ってみた。フライトデッ キの見えるブリッジの外側へ出てみるとなかなかの見晴らし。ここでしばらく観察としゃれ込んだ。東京湾口も近くなった頃、上空警戒を行っていたヘリコプター(SH-60B)が降りてきた。カタパルト上に降りてしまったので飛行機の発艦区域である洋上に着くまでは一休みなのだろう。

今回のメインイベント、艦載機によるデモフライトももうすぐだ。しかし雲が厚くてデジカメ写真への光量が足りない。でも雨が降ってこないだけまだましか。

以下中編の2に続く・・・

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2006年9月19日 (火)

キティホーク乗艦記(前編)

なんと今年の末までに使う予定だった運をまとめて使ってしまったようだ。それほどの幸運に感謝する機会があった。

日本、アメリカに係わらず各国の軍隊には兵士の士気を高め、家族の理解を深めるために軍人・軍属とその家族を対象にした見学会を不定期に開くようだ。横須賀市になじみの深い米海軍ももちろん例外ではない。しかし、一般開放と違って、実際に米海軍の艦艇に乗船してクルーズする機会など日本人には望むべくもない。
しかし・・・しかぁし、基地関係者から前もって予定していたゲストが来られなくなったので空母キティーホークの日帰りクルーズ乗船に代わりにどうだという誘いを直前にいただいた。艦載機のフライトデモもあって費用は5ドルだという。もう後先考えずに二つ返事でOKした。

最初に申し上げておくが、駐留軍としての米軍に係わる様々な社会的問題があるのは十分承知をしている。軍隊・兵器は戦争のための道具であるのは言うまでもない。そんなものに飛びつくのもナンセンスという見方もあるかもしれない。しかし、今回は単純に「初めての経験」「怖いもの見たさ」を求めた結果とご容赦いただきたい。この機を逃したら二度とこんなチャンスは巡ってはこないだろう。それほど自分にとってはインパクトのあるお誘いだったといえる。

Kitty3_3Kitty2Kitty1_1  

当日は雨マークの付く天気予報だったが幸い降り出しはは遅くなりそうだ。基地ゲートをくぐり徒歩にて空母用桟橋へ向かう。前方の交差点前方に大きな艦影がのぞくがさすがに大きく見える。近づくと青い看板が目に付く。米海軍の航空母艦の中で、唯一の前方展開(母港を米国外に持つ)空母で有る旨が読める。その看板の裏側にはたたずむ基準排水量8万トンを超える大型艦艇。圧倒的な存在感がある。さっそく桟橋から乗り込みチェックインさせてもらった。

GunsSlamLaser_bomb 

出航前、まずはハンガーベイと呼ばれる格納庫の中から見学を開始した。公開対象が一般人ではなく基本的に米海軍・軍人軍属とそのファミリーなので、展示物もけっこうラフに展示してある。ここには航空機に搭載する様々なペイロードと警備等に使う小火器が展示してあった。上左の写真はSLAMというスタンドオフミサイル(AGM-84H)だ。航空機から発射されると巡航ミサイルのように羽を広げて目標まで飛んでいくもの。射程は280Kmもあるという。中間の写真はレーザー誘導爆弾の一種(GBU-24)。現在の主力攻撃機のF/A-18はこれらの兵装を主翼下にごってり積んでいくのだ。小火器類もライフル、ハンドガン、軽機関銃といろいろある。私でも撃てそうなレミントンのショットガンもあった。ただ銃口から察する口径は日本の標準である12番ゲージではなくもっと大型の10番ゲージのようだ。反動も大きそう。

CranesGary_1Essex   

ハンガーベイの大きな開口部から外を見ると、同じ第七艦隊所属ミサイルフリーゲート艦FFG51ゲアリーがタグボートに随伴されて一足先に出港していった。反対側の桟橋側を見ると移動式クレーンが橋を持ち上げいよいよ出港だ。8万トンの巨体が動き始める。隣の桟橋にはもう一隻航空母艦のような船が第七艦隊の旗艦LCC19ブルーリッジと並んでいた。これは佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦LHD2エセックスで厳密な意味での空母ではない。この船のお腹にはホバークラフトを二台積んでいるという。海上から基地側を見渡すと色々なものが目に入る。新しい岸壁には大きなクレーンが二台装備されているのが目に付く。ここは2008年にキティホークに代わって配備される予定の原子力航空母艦が使うことになるのだろう。

雲が厚いがまだ雨は降ってこない。さて、息苦しいハンガーベイからフライトデッキ(飛行甲板)へ出てみることにしよう。

以下中編の1に続く・・・

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