陸上自衛隊広報センターを見る
埼玉県朝霞市にある陸上自衛隊の広報施設です。自衛隊三軍はそれぞれ独自の広報展示施設を持っており海自は広島県呉市にあるてつのくじら館、空自は静岡県浜松市にあるエアパークがある。海自と空自は過去出向いたことがあるが陸自の装備品が多数展示されている広報センターは初めてなのでちょっと期待したりします。さて駐車場へ車を入れるとなにやら轟音が迫ってきましたよ。
お隣りにある朝霞駐屯地のゲートから16式機動戦闘車が演習のためにお出ましです。実物を見るのは初めてですがなかなかスマートですね。
ディーゼルエンジンを唸らかして通り過ぎます。装輪戦車ですが迫力は十分です。
軽装甲機動車を先に行かせてウィンカーを出して右折します。戦車であっても公道走行用にヘッドライトやサイドミラーなど保安部品もちゃんと付いていますね。ミラーの設置角度を見ると後方確認をする役目は操縦手ではなく砲塔に乗った車長が担っているようです。通常の戦車と異なりエンジンは車体前部にあるのでお尻側はさっぱりしていますね。
あんな大きな車体でもけっこう小回りが効くようでくいっと回って交通頻繁な普通の公道を曲がって行きました。よく見れば前側の2軸で舵を切っていますね。4輪操舵システムとは恐れ入りました。ちなみにタイヤはブリジストンのスタッドレスタイヤだそうです。訓練場まで移動するのかな。沿道の市民に走行する砲塔上から手を振っています。これも大切なお仕事なのでしょうね。しかし一般道でこんな車両が後ろに付かれた日にはビビりますな。最初に興味深いものを見せていただきました。施設に入場します。
ひよこ隊員がお出迎え。階級章から新兵さんのようです。この施設も民主党政権時代には蓮舫議員の事業仕分けによって400円の有料化が為されたが自民党への政権移管からまたタダに戻ったという数奇な運命を辿っております。まずは屋内展示を2階から見下ろします。
展示規模はさほど大きくはないですね。AH-1コブラ攻撃ヘリコプターと先ほど見た16式機動戦闘車がメインになります。
この機動戦闘車は試作第一号車なのだそうな。これだけでなくこの施設で展示されている各種車両や銃器は皆試作品や初号機らしく量産品と細部が異なっている。この車両もよく見れば先程見た実戦配備車と比べて砲塔形状やヘッドライト周り、エンジンが収まる鼻先のハッチ形状等が異なる。まぁ素人目には分かりませんのでよし。試作や評価に用いる機材は引退も早いのでそれらをこの種の展示に回すのは理にかなっていて無駄が無いですね。この車両デザインだと駆動用の大型ディーゼルエンジンの真横に隣接して操縦席が有る。なかなか過酷な労働環境だ。
この車両に載っているM2重機関銃は本物っぽいがコッキングレバーが無いので撃てません。他の屋外展示してある戦車に載っていた車載機銃のM2はそもそもサイズ感からして違うレプリカだった。まぁ細かいことを言ってはいけません。
AH-1コブラです。映画シン・ゴジラでは東京に上陸したゴジラに対して最初に20mm機関砲で攻撃したのは木更津駐屯地のAH-1でしたねぇ。操縦席に座れるのですが意外に窮屈でもグラスエリアが広く視界は良好でしたよ。戦闘用の背嚢のサンプルがあります。
空挺用は落下傘を含むためか20Kg、一般でも15Kgを担ぐらしい。私も山行テント泊では15Kgくらい担ぐことも有ったが今担ぐとけっこう重い。最近テン泊もしてないからなぁ。20Kgはさすがにしびれました。陸自唯一の落下傘部隊である第1空挺団ではこんなのを担いで訓練する屈強のエリート集団なんですな。自衛官の皆さんご苦労さまです。小銃も各種ありました。
20式5.56mm小銃です。最新の主戦小銃ですね。89式を徐々に更新しているようです。ブルパップ式なのが今風ですね。これにはコッキングレバーが付いているので撃鉄が付いていれば撃てそう。しかし軽いな。これでマガジン無しで3.5Kgだそうな。64式小銃などは4.3Kgもあったのにね。私の標的射撃銃より軽いぞ。ちなみに米軍のM16(AR15)などは2.9Kgしかない。M16は以前に米軍艦船内で構えさせてもらったがモデルガンのように軽かった印象が残っている。でも戦時には銃と多数の携行マガジンに加えて15Kgの背嚢を背負って作戦行動をするのだからやっぱり大変。ご苦労さまなんていうレベルではないですね。前言撤回します。外に出て屋外展示も見てみます。
歴代主力戦車の揃い踏みです。
旬の話題は先日北海道大分県の演習場で搭載砲弾の暴発事故を起こした10式戦車ですかね。まだ公式の事故原因発表は無いですが自動装填され発射時に不発となった弾を規定に従って砲から脱包している際に暴発したのではという説が有力だ。私はまだ経験はないが散弾やライフル装弾でも不発は起こりうる。弾は雷管を撃鉄で叩いても撃発しない場合は10秒待って銃から脱包するのがルール。戦車の砲弾は電気雷管だろうしどんなルールに従っているのかはわかりませんが3名の隊員さんが亡くなる痛ましい事故でした。
一昨年全車退役した74式戦車もあります。50年間も現役でいられたのですから優秀な戦車だったのでしょう。この74式戦車の105mmライフル砲弾は16式機動戦闘車でも使えて無駄がないのだとか。スクラップにするのならウクライナへ送ってあげればいいのにと思うのは浅はかな小市民の戯言でしょうかね。
なかなか勇ましいものを見学できました。これらの正面装備品は戦いの道具ではありますが世に戦いの火種が消えないうちは必要なものであると言えるのでしょう。それらを扱う自衛隊の皆さんの研鑽は日々大変だと思います。屋外展示の向こうには朝霞駐屯地のグラウンドがあり新兵さんへの教練なのか右向け右ってやっていました。兵器は用途によって悪魔にもなり天使にもなる。どこかで聞いた言葉がふとよぎりました。
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